■チャイトピ!取材班、京東物流の昆山京東無人倉庫(仕分けセンター)に行ってきました!

 ・取材日:2018年3月9日
 ・取材班:株式会社unbot
 ・記者:葉子  ・コンサル:よりこ  ・営業:福積  ・アシスタント:ニクちゃん
 ・場所:昆山京東(ジンドン)無人倉庫(仕分けセンター)
 ・ご担当者:京東無人仕分けプロジェクトマネージャー 刑さん

■今回の取材班のご紹介■


■昆山京東無人倉庫(仕分けセンター)とは?

◆基礎情報
昆山無人倉庫(仕分けセンター)はJD.comで購入された商品のうち、中小型の荷物の仕分けを担当する施設。
去年(2017年6月)に運営開始したばかりだが、今年中にコストを回収できる見込みとなっている。
昆山無人倉庫(仕分けセンター)の面積は8000平方メートル。
計78台のカメラがセンター内に設置。24時間体制で監視、管理されている。
通常、1日約4万件の荷物を仕分けているが、618やW11(ダブルイレブン)期間中は1日約10万件もの荷物を仕分けている。
★京東では、ほかにも荷物を保管する無人倉庫も開発しており、今回は仕分けセンターへの取材を行っている。

▲京東が運営する中国大手B2CのECモールJD.com

JD.comは、中国最大のチャットアプリを提供する騰訊(テンセント)が出資している中国大手のECモール。
国内、外資ブランドの出店審査体制がとても厳しく、マタニティや化粧品、健康食品などの「本物」でないと困る商材の分野に非常に強く、本物率90%という国内では圧倒的偽物の少なさで、ユーザーから支持されていてリピート率が高い。2017年に開催されたW11*では1日で1,271億元(約2兆1,607億円)を売り上げている。京東では近年、物流インフラにも巨額の投資を続けている。
*W11(ダブルイレブン:11月11日は独身の日と称され、独身でも買い物を楽しめばいいじゃないか、というプロモーションで11月11日限定で国内の各ECモールで最大級の爆買い大セールイベントが開催されている)

■ご案内してくださったのはこの方!
京東無人倉庫プロジェクトマネージャーの刑(シン)さん

記者:葉子
刑さん、はじめまして。普段は北京にある京東本社にお勤めなんですよね、本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます!ずっと話題になっていた無人倉庫(仕分けセンター)を取材できる日を、取材班一同とても楽しみにしておりました!

京東の刑さん
こちらこそ、本日はよろしくお願いいたします。1時間という短い時間ではありますが、昆山無人倉庫(仕分けセンター)の魅力をお伝えできればと思います。

 

それでは早速、無人倉庫内をご案内いたします!

■倉庫内と監視室を見学

▲昆山無人倉庫(仕分けセンター)外観
周りは空き地が広がっていて、栄えている場所ではありません。

▲入り口には倉庫内のミニ模型が展示されています。
ライトも点滅していて細かい!わかりやすい!トラックがかわいいです。

▲モニター監視室
こちらで78台のカメラの映像を、24時間体制で一括監視・管理しています!

▲仕分け全体の流れがわかるレール
センター内はがら〜んとしていて、人が見当たりません。
こんな光景初めて!取材班一同、この無人センターの仕組みに興味津々です。

コンサル:よりこ
本当に私たち以外、誰もいない!!システムどうなってるの〜?!

▲沢山の荷物を一つ一つに分ける設備。
このレールでは1日あたり約4万件(!!)もの荷物が流れています。

▲中小型の箱が続々と流れてきます!

▲次々と仕分けボックスに商品が仕分け(分類)されていきます。
これは配送先のエリア別にボックスが分けられています。

アシスタント:ニクちゃん
うわ〜!サクサク仕分けられてるよ、お見事!!

▲横から見た図
上には問題発生時のための警報が設置されています。

営業:福積
おぉ〜!ついに来たぁぁぁァアアア!!!!!

▲す〜っと、無人搬送車(フォークリフト)が仕分けが完了されたボックスを取りに来ました!!

◆無人搬送車(フォークリフト)の仕組み
電気で稼働していて、全部で20台配備されています。
一台あたり約100個の荷物を搬送でき、毎回の搬送にかかる時間は約2分。安全距離を設定ており、障害物とぶつかることはありません。障害物から半径1メートルの範囲に入ると自動で停止し、警報が鳴る仕組みになっています。

▲障害物検知機能付きで人間などの障害物を感知したら半径1M手前で停止します。
かしこい!
操作は遠隔でモニターを監視しているものが行なっています。

▲トラックのコンテナの扉へと繋がっているレールに、荷物が入ったボックスを載せます。
本当に人手が不要になったんですね、一連の流れがとことん無人化されています。

▲トラックが配置されている方向へと、どんどん流れていきます。
1時間に最大9,000件の荷物が運ばれています。

▲配送用トラックのコンテナの扉まで到着。
ここから荷積みしてご購入者の方々に荷物を輸送します!
さっき仕分けられていた荷物たちがあっという間にトラックに荷積みするまできました。

▲京東物流の配送用トラック、いざ出発!
いってらっしゃい!

昆山京東無人倉庫(仕分けセンター)は、非常にロジカルで効率的で安全面もしっかり配慮されていました。
(流れが早すぎて追いかけるのが大変でした)

記者:葉子
ほ、本当に無人ですね。大量の荷物がすべて機械によって、あっというまに仕分けられていました。お尋ねしたいことがたくさんあります、この続きはインタビューでお話しさせてください!

京東の刑さん
見学お疲れ様でした!本当に無人なんです。みなさんとてもいいリアクションをしてくれましたね。この続きはインタビューでお答えしますね。

■一部設備の作動動画

■センター内見学後のインタビュー

記者:葉子
本日はよろしくお願いいたします。記者として予め情報収集はしていましたが、実際に目にしてみると想像していた以上の迫力で、圧倒されてしまいました!早速ですが、昆山無人倉庫(仕分けセンター)はどんな経緯、意図があって建設されたのでしょうか?

京東の刑さん
ありがとうございます。京東(ジンドン)の劉会長は、2018年以降の京東物流の長期計画を社員に説明した際に、将来の物流の本質は、コスト・効率・形態がキーワードになると強調しました。弊社ではこの3つの本質を考えた結果、昆山無人倉庫(仕分けセンター)を建設することにしたのです。
現在、中国の人件費は非常にハイスピードで値上がりしており、昆山無人(仕分けセンター)は低コストで高い効率を実現でき、人件費と他のコストも大きく引き下げることができます。2017年の618期間中に無人倉庫(仕分けセンター)は正式に運営開始されました。

記者:葉子
会長はもう何年も前から物流の未来を先読みされていたのですね。すぐに行動に移す御社のスピード感には敬服します。この「スピード感」という点で、次に無人倉庫(仕分けセンター)の仕分けスピードについてお伺いさせてください。去年公開した情報では1時間に最大9,000件を仕分ができる、ということでしたが、今年は仕分けのスピードに変化はありましたか。

京東の刑さん
確かに意思決定スピードが早いのは弊社の強みでもありますね、ありがとうございます。
仕分けの効率に関しては、今も仕分け効率は1時間最大9,000件です。今後、適切な措置を取って効率を上げるつもりでいます。今の効率だと618とW11の物流需要を満たすことは可能ですが、ECは急速に発展していますので2019年以後は状況によって設備を増やす可能性があります。

記者:葉子
従来の工程と比較して、無人仕分けにしたことでどんなメリットありますか。

京東の刑さん
そうですね、例えば荷物台の効率で言うと、人力で作業を行なっていた時は1人あたり1時間で仕分けできるのは最大で1,000件でした。それが自動化になった現在は、1時間に4,000〜最大5,000件の荷物を提供できるようになりましたので、従来の人で作業に比べて効率が4倍に向上しています。

記者:葉子
4倍はすごいですね!もちろん設備投資に巨額な費用が発生したと思いますが、この効率の差であればすぐに回収できそうですね。
ただ全面的に機械に頼ることになるので、仮に機械故障してしまった場合、大きな損害が出てしまうと思います。昨年から運営を開始してから、設置されている設備に故障が発生したことはありますか?

京東の刑さん
はい、そうですね。2017年の運営開始から大きな問題は発生していませんが、やはり機械ですので、機械の一部が故障するということはありました。その場合は迅速に回復させることができるように、設備を検査する専任者がいますので、何か問題が起きたらすぐに駆けつけて解決できるように万全な体制を整えていますよ。

記者:葉子
さすがです!ちなみに、「小さな故障」とは、具体的にどんな故障がありましたか。

京東の刑さん
はい、荷物台から警報が鳴ったり、ベアリングが緩んだりすることがありました。このような問題は現場で即時に発見して解決できるので、小さな問題を見過ごさないことで、これまで大きな故障の発生を未然に防ぐことに繋がっています。今後も将来発生する恐れがある故障については予め予測して、事前に解決策を用意する方法を現在も考えて運営をしています。

記者:葉子
そうでしたか、ご回答ありがとうございます。
では、無人センターと言えどやはりモニターの監視などにはマンパワーが必要になると思いますが、無人倉庫(仕分けセンター)には管理者が何名いらっしゃいますか?また、担当別の毎日のスケージュールと仕事内容を教えていただきたいです。

京東の刑さん
はい、現在管理者は全4名です。24時間体制で管理をしますので、9時〜18時と20時〜翌日の5時と、2つの勤務時間分けて交代で勤務しています。

記者:葉子
この広いセンターを管理しているのはたったの4名なのですか!思ったよりも少人数で管理されていてびっくりしました。それぞれの毎日の仕事内容は何ですか。

京東の刑さん
よく驚かれるのですが、実際に4名で十分に機能していますよ。仕事内容は、2人は設備エンジニアで、残りの2人は運営の管理者です。昼間と夜の勤務時間に、それぞれ設備エンジニア1人と運営管理者1人が交代制で管理しています。

記者:葉子
リアルタイムでは実質2名で管理されていらっしゃるのですね!さらにビックリしました。管理者以外のスタッフでお尋ねしますが、外にスタンバイされているトラックの運転手も御社のスタッフさんですか?

京東の刑さん
はい、運転手も弊社のスタッフで構成しています。

記者:葉子
なにか他社に委託している業務はありますか。

京東の刑さん
現状、他者に委託している業務はありません。すべて自社で一貫して管理、運営を行っています。

記者:葉子
すべて社内で一貫して運営さているのは管理の面以外でもセキュリティの面でも安心ですね。では、この無人倉庫(仕分けセンター)の管理をする上で、大変だと感じられる点は何かありますか。

京東の刑さん
大変だと感じる点で申しますと、他の部門との情報伝達ですね。無人仕分けは全自動で非常に効率的ですが、前と後ろ(倉庫と運送)の部分は全自動とはいきません。彼らの状況を考えないといけない時もあります。この部分の調整が頭を使うので大変な部分かと思います。しかし、この無人倉庫(仕分けセンター)は運営開始から未だ1年も経っていません。今後も運営していく中で、問題を発見し解決し続けていきます。

記者:葉子
なるほど、確かにそうですね。仕分けの工程は全自動になりましたが、まだマンパワーが必要な工程があるので、正確な情報伝達は大変だと思います。では、この無人倉庫(仕分けセンター)について仕組み化する上で複雑、困難だと思う部分はありますか。

京東の刑さん
運営開始から困難だと思う仕組みはないですね。毎日の運営は計画通りに進んでおり、当日分の荷物も時間通りに仕分けできています。管理側として、日々の業務がこんなにスムーズに進むことはありがたいと感じています。

記者:葉子
それは素晴らしい!本当によくできたシステムなのですね。
では、仕分けが無人化することにより効率が上がった一方で、毎日膨大な数のデータを管理する必要がありますよね。データの管理は簡単なのでしょうか。

京東の刑さん
そうですね。ただ、データに関してはここにいるスタッフが管理しているわけではありません。ここのデータは京東の別のオフィスに繋がっていて、そこにいるデータ管理専任のスタッフが管理しています。

記者:葉子
なるほど。明確な役割分担がされているのですね。
では、最後の質問をさせていただきます。御社では現在も自社物流倉庫やシステムの開発に注力されていらっしゃいますが、今後の物流方面での計画と展望をお聞かせいただけますか。

京東の刑さん
今後の計画としても、最初にお伝えした「効率・コスト・体験」この3つのキーワードを巡って展開していきます。現在、ジンドン亚洲(アジア)一号では多くの無人倉庫(仕分けセンターや荷物を保管する倉庫)の建設を計画しています。
他には、無人倉庫、無人運転トラック、ドローンを使用した配達なども実現に向けて行動をしていますよ。これも効率とコスト、体験の向上を追求して生まれたアイディアです。
私たちはこれからこの3つの方面からスマート物流事業計画を進めていきます。道のりは楽ではなく、長いでしょうが、私たちは引き続き最先端テクノロジーと、これまでの経験とデータを駆使して突き進みます。そして常にこの道のリーダーになることを目標としています。

記者:葉子
物流の新たなスタンダードを創造する企業として応援しています。そして新しい設備が完成されることを楽しみにしています。その際はぜひまた取材させてください。本日はお忙しい中、ご協力いただき本当にありがとうございました。

京東の刑さん
こちらこそ、本日はありがとうございました。

■無人倉庫(仕分けセンター)の建設理由と今後の展望まとめ

現在の中国では人件費が毎年値上がりしており、低コストでの従業員の採用が難しくなっています。今後も人件費は値上がりしていくので、京東物流ではコストパオーマンスに優れた無人センターの建設が計画されました。
京東物流では現在、特にスマート物流の分野に投資しており、上海にある「亚洲一号」物流センターは、世界初の自動仕分けセンターとして注目されており、京東物流の全自動化のシンボルとなっています。京東物流では引き続き上海で世界初の無人倉庫を建設しています。

■取材班の感想と考察

記者:葉子
たったの4人でセンターを管理しているなんてすごいと思った!もちろん現場で大きな荷物を卸す従業員もいるので、完全な無人とは言えないかもしれないけど、京東のスマート物流方面での今後の探索が楽しみだなぁ〜!

コンサル:よりこ
うん。無人倉庫(仕分けセンター)でも、完璧に無人で荷物が仕分けられているわけではなかったね。例えば、ベルトコンベア上の傾斜がきつすぎて、小さくて軽い荷物はうまくベルトコンベアに上がらず下に転がってしまうケースもあったけど、今後改良されると言っていたね。
私は今回の取材で感じたことは、中国では失敗を過度に恐れず、発生してしまったトラブルには臨機応変対応しつつ、試行錯誤を繰り返しながらいいものを作り上げていく風土が中国の急速な発展に繋がってきたんだな、ということがより一層強く感じられたよ。

アシスタント:ニクちゃん
そうだね、私は今回の取材で人工知能(AI)の魅力を感じたよ。4人の管理で、1日4万件の荷物を仕分けているのはすごいよね!一番印象に残ったのは無人搬送車だな。凄かった!まだ改善しないといけないところもあるけど、さらなる進化が楽しみだなぁ。

営業:福積
うんうん、無人搬送車はおもしろかったね!1メートル範囲内に近づくと、搬送車が自動で感知して止まるし警報が鳴るんだね、安全管理がしっかりしてるな、と思ったよ。

アシスタント:ニクちゃん
こういう技術も日常運転に使われてほしいね〜!

記者:葉子
京東はすでに無人運転トラックの試験運営を始めているよ。日常生活の一部になる日は遠くないんじゃないかな!

取材班全員
今後の発展が楽しみだね!

▲取材班、最後に倉庫(仕分けセンター)内で記念撮影をさせていただきました。

昆山京東無人倉庫仕分けセンターさん、
取材にご協力いただきありがとうございました!



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