2016年末から、中国でシェア自転車が大流行!
その後にシェア充電器、シェア傘、シェアジムなど「シェア系」のサービスが次々と登場し、中国は現在「シェア」という大ブームを巻き起こしました。シェア自転車関しては、高速鉄道、アリペイ等のモバイル決済、インターネット通販に並ぶ中国の「新四大発明」になるまでに成長を遂げています。

なぜ、中国のシェア経済がここまで人々に受け入れられ、急速に流行ったのか。
本記事でサービスの特徴と急成長の原因を徹底分析してみましょう。

 

■中国のシェア経済の市場規模と成長率

国家情報センターが公開しているデータでは、2016年中国のシェア経済市場交易規模は3.45兆元(約56兆9000億円)、前年比103%増加。市場機構では2017年末に中国シェア経済の交易規模は4.5億元(約76億円)になると予測されました。

■中国の代表的なシェアサービス:シェア自転車

●シェア自転車ofo(オッフォ)
http://www.ofo.so/#/

【ofoの歴史】
2014年:北京大学の卒業生4人がofoを創立し、学校内でサービスを提供する。
2015年:サービス範囲が北京の他の大学にまで拡大。
2016年:複数のシェア自転車会社が誕生し、70を超える企業が市場に参入。
2016年末から2017年シェア自転車は急成長し、多くのメディアにそのシェア自転車の話題が取り上げられてサービスの知名度も一気に全国に広がる。

2016年のシェア自転車市場規模は12.3億元、2017年の市場規模は102.8億元と予測されていました。成長率は735.8%。

一大ブームを巻き起こした時期は道路で様々な色のシェア自転車を見かけ、「新規参入するには自社ブランドの色が足りない」というコメントも聞こえていました。また、自転車の過剰配給による「自転車の墓場」よ呼ばれる廃棄された自転車たちが山積みとなった写真も一時期話題になりました。これらの問題により、上海などの大都市では、その後自転車の投入を一時停止にしています。


■シェア自転車の特徴と支持される3つの理由

  • 過去の公共自転車と違い、乗り捨てが自由にできる点が便利で人気に火がついた理由の一つとなっている。
    (乗り捨てされた自転車の管理面においてはまだ課題がたくさんある)
  • モバイル決済で使用料金を支払うことができ、自転車のロック解除から支払いまでの過程は全てスマホひとつで完結できる。
  • 家から最寄りの駅までの「最後の一キロ(ドアまでの距離)」問題を解決することができた。

■ofo(オッフォ)とmobike(モバイク)がシェア自転車の2TOP

ofoは2014年創立された会社で、日本を含めて世界の20か国で250以上の都市でサービスが提供されています。これまで1,000万台以上の自転車を導入していて、ユーザー数は2億人を超えています。
対するMobikeは2015年創立された会社で、日本を含めて世界の9か国で180以上の都市でサービスが提供されています。自転車投入数は約700万台。関係報告によると、ユーザー高感度調査ではmobikeが1位で、利用回数はofoが一位という結果になりました。

■保証金払い戻し問題で倒産する会社が続出

2017年下半期から、シェア自転車の保証金払い戻しに関する問題が発覚し、この問題により70社を超えるシェア自転車シャービスを提供する企業のうち、34社が倒産しています。

■シェア傘

●シェア傘「摩伞(モサン)」
https://www.mosunshine.com/about.html

 

「摩伞(モサン)」は、2017年8月5日から上海地下鉄でシェア傘の設備を設置してサービスが開始されました。
運営会社は3年以内に3,000台の設備と、100万本の傘を投入すると宣言しています。

【利用方法】
モバイルで専門のアプリをダウンロードして、設備に貼られているQRコードをスキャンし、39元(約550円)の保証金を支払えば傘を設備から外すことができます。傘を取るまでの所要時間は約10秒。アプリから各駅の借りる傘の本数と、返済できる本数を確認できます。(※実名と身分カードの番号の登録が必要。24時間内の使用料は無料で、24時間を超えると1日あたり2元(約35円)の料金が課される。)

以前に、設備もなく傘がそのまま道路の柵などに置かれて利用を勧めるシェア傘も一時期登場していましたが、盗難被害が多発してあっけなくサービスが終了しています。「摩伞」のように設備を設置することで盗難被害は防ぐことができますが、いくつか他のシェア傘サービスに共通する問題が存在しています。

■シェア傘サービス提供の4つの課題

  • 傘は破損しやすい消耗品で、利用頻度も高く、頻繁破損した分のコストが発生する。
  • シェア傘の市場参入条件は低いため、数多くの企業が参入 競合が多い。
  • 駅など公共場所に傘を設置するため、管理面の課題が存在する。
  • 使用量が季節に左右される。雨の多い季節に多くの需要が出るが、雨の日以外は傘を借りる人がいない点。

日本の東京渋谷でも昔に「シブカサ」という傘のレンタルサービスが存在していたようですが、盗難被害が多発し、補充が追いつかないために短期間でサービス終了しています。
中国のシェア傘は上の問題のクリアし、サービスが住民の生活に定着していくのか、あるいは淘汰されていくのか注目していきたいですね。

■シェア充電器

●シェア充電器「来電科技」
http://www.imlaidian.com/

片時も肌身離さずに持っているモバイルの充電問題は年々大きくなっています。2017年の世界モバイルユーザー数は50億人近とも言われています。そのうち、中国のモバイルユーザー数はなんと13億人を越えているのです。毎日10億回の充電が発生していますが、そのうちの1億回の充電は家とオフィス以外の場所で発生しています。

シェア充電器の導入メリットは、コストが自転車より低く、破損しにくく、メンテナンス費用も低コストで済むため、旅館やホテル、商業施設等を運営する数多くの企業がシェア充電器市場に参入しました。

■使用シーンでシェア充電器を三つの種類に分類

  • 移動パターンの移動シェア:
    「来電科技」をはじめ、可動式充電器が人気。例:A設備から借りて、B設備に返却することができる。
    ショッピングセンター、駅、病院などの人通りの多い場所に設置されることが多い。
  • 固定パターンの移動シェア:
    「街電科技」をはじめ、設備から充電器を取って充電するタイプ。充電完了したら同じに設備に返却すれはOK。
    レストランやバー等に設置されることが多い。
  • 固定パターンの固定シェア:
    「小電」をはじめ、充電器が机に固定されているタイプ。保証金いらずで、直接スキャンして使用できる。
    ホテルの施設に設置されている。

「来電話科技」を例に、通常、シェア充電器を利用するには100元の保証金を払う必要があります。(アリペイの芝麻信用点数が600点以上の場合は保証金不要)1時間内の使用は無料で、その後は1時間1元(約17円)発生します。

■シェア充電器の課題

  • 数多くのレストランやバーは無料の充電提供してるがシェア充電器の使用回数は多くない。
  • 業界の競争が激しい。
  • シェア自転車と違って、返却が面倒なために生活に浸透していない。

中国ではスマホ決済が浸透しているので、消費者は自分でモバイルバッテリーを持ち歩いている人が増えています。また、上の課題にあるように充電器の返却が面倒という点で浸透していないようです。ホテルに設置されているものは、旅行者には嬉しいサービスかもしれませんね。もともと導入コストが低いので、それほど利益にならなくても痛くない?!

■シェアジム

●シェアジム「觅跑(ミーパオ)」
http://www.misspao.com/

觅跑の外観は5平方メートルのボックス型で、中にランニングマシーンが一台設置されています。
主に住宅区に設置されていて、モバイルから会員登録が可能。利用するには99元(約1,500円)の保証金と実名認証が必須。觅跑の利用料は5分間利用で1元(約17円)。1時間利用しても約255円なので、コストパフォーマンスは悪くなさそうですが、インターネット上での反応はどうでしょうか。

■觅跑に対するネット上の意見

  • ランキングマシーンしかないのに、わざわざこのシェアジムに行く必要があるのかな。
  • 中が見えるから、プライバシーの問題が存在するんじゃないかしら。

確かにランニングマシーンが1台しか置いていない簡易ジムで中が筒抜けだと抵抗を感じるのも無理はないですよね、女性なら尚更安心できないのではないでしょうか。まだまだ改善の余地がありそうです。

■中国でシェア経済が急成長した原因と経済効果

上でご紹介した数々のシェア系サービスは利便性が高いと感じる一方、現在中国国内では安全性や資源の浪費などで問題視されています。また、公衆の場に設置されるこれらのシェア商サービスにはウイルスが存在し、個人情報の流出を懸念する消費者が増えているのも事実です。さらに傘や充電器などの商品は損害率が高く、大量に破損被害を受けた場合は資源の浪費にも繋がっています。しかし、こうした問題がありながらも、中国では次から次へと新しいサービスが生まれています。その中でもシェア自転車の発展は特に早く、圧倒的スピード感で日本を含めて世界規模でサービスを拡大しています。

専門家とベンチャー業界に明るい人物によると、中国EC、SNSプラットフォームをはじめ、モバイルインターネットとモバイル決済の発展がシェア経済を後押ししたとコメントしています。同時に、中国のモバイルインターネットの消費者の基数が大きく、流行すれば経済効果に大きな影響を及ぼします。

ボストンコンサルティング(BCG)の「中国インターネット特色の解読」報告では、中国シェア経済の消費者の基数は大きい一方で、一人当たりのモバイル機器使用時間も長い。一人当たりのアプリダウンロード数はアメリカより多く、消費者の「シェアしたい」気持ちはモバイル決済の影響で一層強くなった、と報告しています。

モバイルインターネット時代、中国のユーザー数は全面的にアメリカを超えました。中国の主なアクティブなユーザー層は新しいものを受け入れやすい若者が多く、ネット利用地区は集中していて密度が大きいので中国での経済効果が著しい。そのため、業界の持続可能な発展は西洋国家よりも比較的中国の方が発展の可能性が高いと見られています。

中国政府の政策もシェア経済発展の原因の一つとなっており、政府は新しいものを支援し、見守り、発展させる姿勢でいます。国の発展を支援し、そして管理することが目的なのでしょう。オンラインビデオアプリ、EC、シェア自転車などの発展はみんな政府の支持があってこそ急速に大きく成長することができました。シェアサービスを展開する企業は今後も暫くは試行錯誤しながら発展していくと思われます。また、発展中のベンチャー市場はシェア企業の資金問題を緩和しており、中国ベンチャーはモバイルインターネットの発展と共に発展してると言えるでしょう。現在その規模はアメリカの次に立つ、世界2位となっています。中国はアメリカを追い越そうと、大企業はこぞって海外に留学していた優秀なエンジニア等の採用に力を入れています。

中国の巨大な人口規模と、モバイルインターネット環境は大きな優位性を持っています。
シェア経済の発展の必須条件は第一に規模が必要。十分な規模の市場で確実に効果のある商業パターンを創出し、持続可能な発展を実現することがシェア経済の課題です。

シェアサービスが普及することは、中国スマートハードウェアの低価格化にも良い影響を及ぼしました。例えばシェア自転車が使用される時、自転車は多くのGPSデータを転送しています。このデータ伝送には大量のセンサーが必要になるので、中国のセンサーなどのハードウェアの価格はアメリカより低価格化を実現できました。

シェア経済の核心は人と人の関係を再構築すること。
中国の微信(WeChat)とアリペイなどのプラットフォームは人と人の間の信用を繋ぐことに役立っています。こうしたプラットフォームを通した人との信頼構築の方面では、中国は世界の先端に立っています。BAT(百度、アリババ、テンセント)などの大企業は、モバイル決済、LBS位置サービスを通して中国ユーザーの消費を全面的にオンライン化させました。これはシェア経済に多くのデータを提供し、シェア経済のビッグデータと人工知能(AI)アルゴリズム練習に最も重要な資源となっています。