2018年4月9日、中国で初めての無人銀行が上海で登場!
早速、チャイトピ!の記者が実際に無人銀行いって口座開設をする体験してきました。

・取材日:2018年5月3日
・取材者:株式会社unbot チャイトピ! 記者
・取材先:上海市黄浦区九江路にある中国建設銀行の無人銀行

■無人銀行ができた背景とは

中国の生活の一部と化したモバイル決済は銀行に大きな打撃を与えました。
これまでお金を引き出すのも、預けるのもATMや窓口に行く必要がありましたが、オンラインでもそれが可能になり、モバイル決済が普及した現在はアプリで口座の入出金を自在に管理できる時代となり、わざわざ銀行に出向く必要はなくなってきたのです。こうした時代の影響を受け、中国建設銀行はいち早く行動に移して業務効率化と人件費削減のために北京の360支店で1,600台のロボットを配置しています。

中国銀行協会が、2017年で中国の銀行は5%の支店にスマート化改革の施策を実行しており、約11.4万台のスマート機械が現金の入出金以外のサービスも提供できるようになったと報告しています。

今回取材した無人銀行は、店内に設置されたロボットが来客を案内してくれる仕組みになっています。
ロボットには顔識別ソフトと音声識別ソフトが搭載されいて、来客の大部分の質問に答えてくれます。そのほか、生物識別、音声ナビなどの技術を採用しています。
無人銀行で行える手続きは、従来の有人銀行で行われる業務のうちの約90%の業務を受け付けられると公表されています。

▲上海市黄浦区の九江路にある無人銀行。
外見は普通の銀行支店と変わらず、面積は約165平米です。

この中国建設銀行は北京に本部を置く国有企業で、中国建設銀行は銀行業務をグレードアップするために無人銀行を開設する、という報道が国内でありました。しかし、専門家はこの無人銀行に疑惑を持っており、これまで人々が利用してきたATMとネットバンクがあるので、わざわざ銀行をセルフサービス化する意義を感じないと発言しています。
外から何を言われても、まずはやってみよう!という精神の中国。サービスが生き残るかは不明ですがチャレンジャー精神は見習いたいところです。

中に入ると、受付のロボットお迎えしてくれました。
モニターにはキリッとした顔立ちのお姉さんのイラストが映し出されています。
音声識別で来客の要求に応じてくれます。
身分証をセンサーでスキャンして認識し、番号札を発行してくれました。

次に入り口を通ります!

次に登場したのはこの設備。
電車の改札口のような機械が設置されています。
初めて無人銀行を利用する方はここで身分証をスキャンしてから中に入れる仕組みとなっています。

改札を通ると中に2つ目のロボットが設置されていました。
このロボットは従来の有人の銀行で例えるなら受付マネージャーですね、お客さんの要求を聞いて、必要な各業務の機器まで案内してくれます。モニターにQRコードが表示されもしますが、対話メインで操作する機械でした。
来客の声を識別して、男性の声なら「お兄さん」、女性の声なら「お姉さん」と呼んでくれます。

筆者は早速「こんにちは、私は銀行口座をつくりたいのですが、どこに行けばいいですか」と話しかけました。
ロボットはかわいい子供の声をしていて流暢な中国語で目的の機械の場所を教えてくれ、ゆっくりと移動してその場所まで案内してくれました。

ロボットはどんなことでも回答してくれるのか気になったので、筆者が「ここは無人銀行ですが、従業員がいるのをみかけましたが、どういうことですか」と話しかけると、ロボットは怒った声で「お姉さん、私に銀行業務の質問をお願いします。他の質問はご遠慮ください、お姉さんは他銀行からのスパイですか」とまくし立てられました(!!)まるで目の前にリアルな人がいるかのように、すごい会話力だ。。。

先ほど怒られたロボットに、口座開設ができる機械の前まで案内してもらいました。
この機器で筆者は実際に銀行口座を作ってみます。
モニターの指示通りに操作していると、途中で銀行員の指紋認証が必要になりましたので、現場にいた職員を呼びました。無人とはいえ、銀行の職員は現場に配置されていて、ロボットが解決できない問題があった場合に職員が問題を解決してくれます。
職員の指紋認証を経て口座を無事に開設することができました!
しかし、口座開設は職員の指紋認証が必要で無人では不可能な仕組みになっているので「無人銀行」という響きに違和感しか感じません。。。一旦目的は達成することはできました。

こちらはよく見かける普通のATMです。
店内には最近のテクノロジーになれないお客さまのために、無人銀行の支店内は通常のATMと両替機器を設置しているとのこと。このATMは顔認証技術を採用していて、顔認証で現金を下ろせる仕組みにもなっています。
見た目は従来のATMと変わりないですが、実は顔認証の最新テクノロジーも採用しているので、最新テクノロジーに慣れないお客様向けの機械のはずなのに、混乱してしまうのでは・・・と筆者はまたまた首をかしげるのでした。。

最後はこちら!
無人銀行内ではVR体験サービスも提供しています。
部屋の前に設置された顔認証機械をクリアすれば体験室に入れます。
VR体験部屋では中国建設銀行が紹介している不動産の3D映像を見ることができます。これは商売上手!

■無人銀行の感想

実際に無人銀行を体験してみましたが、まだまだ試験的な運営であると感じました。

■筆者が感じた疑問点:

  • 2台のロボットは方言や外国語がまだ識別できない
  • 高齢者などはこれらのテクノロジーに慣れず混乱してしまうことが予想できる
  • 口座開設の手続きは職員の指紋認証が必要で無人では完結されない
  • 入出金は従来のATMで事足りる
  • 有人銀行で行われるサービスの90%が無人銀行でも対応可能と公表されているが、話を盛りすぎていると感じた

■無人銀行のいいところを考えてみた

  • 案内をロボット化することにより、人件費を最小限に削減できる
  • 最新技術の応用で若者の注目を集めることができる
  • 現金は全て機械の中にあるので、有人の銀行に比べて強盗被害が少額で済みそう
  • 入り口のゲートで個人情報をとるのでセキュリティ面が高い

こんなところでしょうか。
まだまだ試験運用の無人銀行。この無人銀行が一般のセルフサービス銀行と違うところはロボットが操作を教えてくれる最新技術を応用した点だと思いました。
さらなる顔認証、音声識別技術の発展によって、完全な無人化も近い将来に可能になるのかもしれませんね。