■「果小美」ホームページ:https://guoxiaomei.com/

近日、無人商品棚運営企業の「果小美(Guoxiaomei)」が運営停止する噂が流れた。果小美側は業務は通常通り展開してると表明しているが、実際には今年4月から果小美は全国で無人商品棚の運営停止通知を公表しており、2,000人の従業員をリストラする計画を立てている。現在は北京、上海、深セン、杭州などの都市部での業務はすでに停止している。今年の旧正月の後、果小美は取引先に数千万元の代金が未払いであることを指摘されれおり、商品棚に並べられる商品は全国で品切れ状態が続いていた。

果小美は無人商品棚業界発展の縮図と言える。近日、競合である「便利購」、「猩便利」なども無人商品棚事業においてリストラあるいは既設設備を撤去するという噂が流れた。このことに関して、業界に詳しい者の見解によると、運営企業が計画なしにたくさん資金を投入し、むやみに設置スポットを拡大して、明確な利益モデルがないことが無人商品棚のビジネス発展の防げになった、とコメントしている。

果小美は2017年6月に創設された企業で、IDG、藍馳創投など有名な機構から5億元(約85億円)以上の投資を受けている。2017年9月、果小美はスマート小売ボックスの「番茄便利」と合併して、無人商品棚領域の大手企業となったばかりだった。

今年3月、果小美の創業者兼CEOの阎利珉(エン・リミン)は「中国最大なオフィス小売ネットワークを建設する」という自社の目標を表明していた。果小美は北京、上海などの発展都市を含む100近くの地域で無人商品棚を設置していた。将来は商品棚、スマート商品棚、ミニコンビニまで事業範囲を拡大する予定でいた。しかし、裏で果小美は経営の危機に直面。今年の春節後、果小美の品切れ状態が続き、資金繰りの危機の兆しが露わになっていた。

■経営難の起因は利用者の良心と運営方針にあり

果小美の関係者によると、オープン的な商品棚の決済は消費者の良心に委ねられるところが強いと指摘。
この無人商品棚は日本で言えば「オフィスグリコ」の仕組みと似ていて、利用者は商品棚に並べられた好きな商品を自分で手に取ってモバイル決済で支払う、セルフで商品を購入する仕組みだ。実際には盗難と損害率が比較的高く、果小美にとって大きな運営圧力となっていたのだ。

果小美は運営方針として、無人商品棚を30人以上いるオフィスで設置するとしていたが、実際には条件を満たしていない不合格な設置スポットが多い。2線都市でのスポットの半数近くは不合格だ。幼稚園やワイン倉庫、自動車4S店(カーディーラー)などのスポットにも設置された。会社自ら設置場所の検査をしたところ、1ヶ月間で千以上の問題ある商品棚を発見したので撤去している。

ある一線都市の果小美の元サプライマレージャーによると、同都市の2,300個商品棚の毎日の仕入料は19429.51元(約335,000円)、1ヶ月の稼働日は22日とすると、小売業界の10%の粗利益率、そして損害率ゼロで計算すると、一つの棚の月間の収益は約204.38元(約3,500円)、粗利益は20.44元(約250円)。3日間に1回商品補充すると、1回の補充のコストは30元(約510円)で計算すると、一つの棚の毎月の純損失は279.56元(約30,800円)となる。
果小美は全国で10万個の無人商品棚を運営していると公表していたので、平均1ヶ月の純損失は2795.6万元(約4億円)を超えると計算できる。

スポットの開拓の拡大で、新たに設置した棚を入れると果小美のコストはさらに高まるだろう。
一線都市で一つの棚を増やすには1,500元-3,700元(約26,000〜64,000円)ほどのコストが発生する。最低1,500元(約26,000円)で計算すると、果小美の10万個商品棚の設置コストは少なくとも1.5億元(約25億円)かかる。

そのほか、従業員の給料、固定資産の投入、商品の損害などを除いて、果小美の10万個もの商品棚が運営に入ってから4ヶ月を経て、設置と運営だけで2.6億元(約44億円)の純損失が発生する。

果小美の関係者によると、果小美は市場シェア獲得のためにはコストを惜しまない方針だった。
杭州の毎月の商品の配送費用は20万元(約342万円)発生するが、商品棚の設置場所は分散的なので、配送のコストが必然的に増える。

また、果小美の仕入れ体系にも問題があった。最初は4、5人が商品の仕入れを担当するが、販売商品の選定能力が不足しているがために、売れる商品の仕入れが少なく、賞味期限の短い商品をたくさん仕入れたが結果、売れずに廃棄するものも少なくなかった。

リストラや業務停止について、果小美側は職員削減など含めて戦略の調整を行っている。これについては、会社が問題になったわけではないと表明している。これからは引き続きオフラインの商品棚の運営を続ける予定で、第三者と連携するパターンを採用する方向だ。そして次はEC運営へ転換するらしい。

メディアの報道によると、果小美はオフィスシーンを中心に知人間のグルーポン型ECに注力している。
しかし、専門家によると、オフィスではみんなは仕事しているので、グルーポン型ECサイトの競合である「拼多多」の規模には達することができないであろうと指摘する。

■無人商品棚の発展背景と将来

無人商品棚業界は低価格競争、盗難の多発などの社会問題が存在する。加えて利益モデルも明確ではない。

2017年下期から、無人商品棚は運営企業の争いや資本獲得の争いが話題となった。関係データによると、約50の企業が市場に参入し、融資規模は30億元(513億円)を超えた。しかし、多くの資金を投入して市場シェアを占拠した後、合併や運営停止、リストラなどニュースが相次いだ。無人商品棚業界の発展は低迷しているようだ。

オフィス等ののオープンスペースに商品棚を設置し、棚にはおやつや飲み物などを並べ、モバイル決済用のQRコードをつける。消費者の良心に頼る決済方式、これが無人商品棚の仕組みだ。コミュニティーリテールとして、無人商品棚はオフィスのユーザーに近い場所に設置された。消費需要を満たす一方で、オフィスのユーザーデータも取れるといった目論見だ。

無人商品棚は「小e微店」、「猩便利」、「便利蜂」などスタートアップ企業以外で、アリババや京東(ジンドン)などの大手企業も市場に参入している。アリババはMideaグループと連携して「小売柜」を打ち出した。京東は「京東到家無人スマートボックス」を打ち出した。「便利購」はテンセントからの投資を受けている。
その後、無人商品棚業界は整合期に突入し、2017年9月、果小美は「番茄便利」を買収。11月に「猩便利」は「51零食」を買収。2018年1月、「便利蜂」は「领蛙」を買収した。

各企業の事業拡張とともに、無人商品棚の高い運営コスト、高い商品損害率など問題がいま明らかになった。
今年2月、「猩便利」は大規模のリストラが報道され、成都無人商品棚プロジェクト「GOGO小超」も運営停止となっている。

無人商品棚の将来について、北京京商流通戦略研究院院長はこう語った。

無人商品棚の事業だけでは企業は利益を上げることができない。将来的に経営理念を変えて業務を改善することができれば、フルーツカットやテイクアウト商品などの利益率の高い商品を提供し、集めたビッグデータ(地域やユーザーの好み、購買パターン等)を活用して流通の効率を向上させることができるだろう。

・参考記事:
http://tech.qq.com/a/20180508/003374.htm