W11(ダブルイレブン:独身の日)に次ぐ中国のECビッグセールイベント「618商戦」は今年も開催されました。
618は元々中国EC市場シェア2位の京東(ジンドン)の開業記念日で、2010年から毎年6月18日に、京東は開店記念日としてビッグセールイベントを開催しています。最初はイベント期間は1日限定でしたが、近年は6月1日〜20日まで伸びました。
競合であるアリババの天猫(T-mall)や家電量販店のSUNING、RED(小紅書)といったECモールも、ユーザーを京東に独り占めさせないために、年中を記念して衣替え大セールなどと称して対抗しています。

今年の618セールはW杯、中国の端午の節句と重なったため、これらに関連する商品の売上はさらに急増。
ロナウドが3ゴールを決めた後、天猫の「ロナウド」キーワードの検索量は32倍急増、ロナウドがイメージキャラクターを務めたシャンプーは5分間で15,500本売れました。SUNINGの粽(ちまき:端午の節句で粽を食べる風習がある)の売上は前年比2倍増加。

アリババ傘下の天猫(T-mall)とテンセント傘下の京東商城(JD.com)は中国ECプラットフォームの2トップです。
この2社が618の主役と言えるでしょう。京東の6月1日〜18日の注文額は1,592億元(約2.7兆円)、前年同期比33%増加。天猫は具体的な売上を発表していませんが、13日間で去年618の18日間の売上を超えたと発表しています。以下は天猫と京東の比較です。

 

京東の技術アピール

セールイベントとはいえ、京東は618開始前の発表会で、セールについて一言も言及していません。京東はあえて自社の最新技術をアピールしました。京東は将来、最新テクノロジーを生み出す企業になることを目指しているようです。

京東物流は5月に上海にある「アジアNO.1」という名称の無人倉庫を公開しています。数千以上のロボットを導入し、さらに無人運転トラック、ドローン配送なども618に導入しました。配達ロボットも北京の一部地区で導入され、出庫品の90%以上は当日か翌日に宅配することができた、と報告しています。

また、京東は618セールでAIサポートサービスによるカスタマサービスを導入しています。AIサポートサービスの特徴は24時間対応できることで、618期間中にあった問い合わせの87%をAIサポートで独立的に解決したと報告しています。このシステムは京東独自の感情分析システムに基づき、消費者の感情を正確に掴んで、適切で親切なサービスを提供することができたといいます。

 

天猫はニューリテール×618で仕掛ける

過去のECセールで天猫や京東などのプラットフォームは、各自の売上データを公開して自社の力をアピールしていました。これまでは「どれだけ売れたか」が一番重要視されていたのです。今年も京東は売上を含めて少なくとも30個の関係データを発表しました。それと比べると、今回天猫側が発表したデータは少なすぎに見えます。一部の商品の販売数は公開されたものの、具体的な取引金額には一切触れていません。

(Photo from: http://www.ctoutiao.com/761913.html

天猫618のニューリテールには10万店のスマート店舗、300個の天猫ブランド、70余りのショッピングセンターが参加

これまでは618と言えばオンラインセール1本というイメージでしたが。今回アリババの天猫はその概念を打ち破りました。
天猫はオンラインセールに限らず、今年はオフラインのイベントに注力しました。指定の購買金額に達したら割引特典や、クーポン、買い物手当などのオンラインセール手法がオフラインでも応用されました。
アリババニューリテール戦略の一環としてのオフラインのショッピングセンター消費量は急成長。70個あまりのショッピングセンターが天猫と提携して618セールに参加しました。6月16日までに全国のショッピングセンターの消費回数の平均成長率は31%増加、北京、上海などの都市では成長率は50%近く増加。18日当日は約7,000万人の人々がオフラインの店舗で買い物をしました。

2018年の618トレンドのまとめ

2018年の618セールの焦点は、セール自体ではなく、技術やニューリテールが新たなアピールポイントとなりました。中国のECプラットフォームの大手企業はオンラインの売上に固執せず、新し取り組みに挑みました。今年の11月に開催される中国最大のECセールイベント「W11(ダブルイレブン:独身の日)」でもオフラインでの取り組みに注目が集まるかもしれませんね。