ウォルマートと中国EC市場でシェア2位の京東(JD.com)は2018年7月19日、オンラインとオフラインを融合する「三通2.0」戦略を発表した。将来、双方は在庫の共有を全国で展開する。

■「三通2.0」戦略とは?

去年、ウォルマートと京東は初めて「三通」戦略を打ち出した。「三通」とはユーザー、店舗、在庫方面で共通化することを指す。

(1)双方がお互いのユーザーを共有
(2)店舗や商品を双方のプラットフォームに導入
(3)在庫情報を共有

この協業によって、ウォルマートの業績が向上し、京東プラットフォーム上のウォルマート旗艦店の登録ファン数は130万人を超えた。
今年上半期の売上は前年の5倍に増ている。

▲ウォルマートの京東旗艦店

「三通2.0」戦略は「三通」戦略のバーションアップ版だ。
消費者はARを利用して京東あるいはウォルマートのロゴをスキャンして、オンラインとオフラインの両方で使用できるクーポン券をもらうことができる。また、将来は一部の都市で1時間の定時速達サービスを提供する予定だ。

京東グループ高級副総裁の王笑松によると、過去 、消費者がJD.comのウォルマート旗艦店で水を購入して手元に届くまでの流れは、まず商品の水が京東の倉庫から出荷され、消費者近くの配送スポットに輸送され、それから配達員が水を消費者に届けるという工程だった。
しかし、京東とウォルマートの協業関係が深くなった現在、ネット通販でウォルマートの商品を買うと、注文伝票が直接消費者に近いウォルマート店舗に届き、店舗から直接出荷し、配達する流れとなり従来よりシンプルで時間を短縮できる仕組みとなった。
注文してから配達が早くなったことにより、ユーザーはより一層定着していくだろう。

■ウォルマートの中国でのEC事業展開歴史

アメリカの大手スーパーマーケットチェーンのウォルマート(Walmart)は1996年に中国に進出。
2017年までに中国で441店舗を持つ。近年、ウォルマートでは店舗を閉鎖したり、店舗面積を狭くしたりという施策をとって実店舗よりもEC分野に注力していく姿勢を見せていた。

ウォルマートは2015年に当時中国ECプラットフォームトップ10に入る「1号店(Yihaodian)」を買収している。
ECプラットフォームをウォルマートのオフラインの小売ネットワークと結びつけ、中国EC市場への野望を示した。しかし、「1号店」の市場シェアはウォルマートの期待とは裏腹にどんどん下がった。その一年後、ウォルマートは京東と協業関係を結び、「1号店」を京東に売却。ウォルマートは京東で旗艦店をオープンする以外に、100余りの実店舗も京東傘下のO2Oプラットフォーム「京東到家」に登録している。

2016年「1号店」を京東に売却と同時に、ウォルマートは京東に出資し、5%の株式を取得した。その半年後、ウォルマートは京東に増資し、京東第3位の株主となった(1位と2位はテンセントとCEOの劉強東)。

2018年4月、ウォルマートは深センでスマート店舗「惠选」をオープン。9割以上の商品はオンラインで注文すると家までデリバリーしてもらえる。QRコードスキャンによる購入、「京東到家」からの注文などの取引は全体の5割以上を占めている。