スターバックスは8月2日、アリババと提携して出前サービスを打ち出すと発表した。
9月から北京と上海でアリババ傘下の出前サービス餓了麽(Ele.me )の配送システムを利用して出前サービスを提供開始する。

■主な協業内容

過去、スターバックスはブランドとしての高級なイメージを維持するため、中国で商品の配達を行わず実店舗のみでの販売を行なっていた。
現在は他社が代理配達を行なっているが、これはスターバックスとは直接の関係はない。今回のアリババとの協業でスターバックスもいよいよ新しい一歩を踏み出した。

両社の協業内容とは:

1、アリババ傘下の出前サービス餓了麽(Ele.me )の配送システムを通じて、9月から北京と上海の150店が試験的に出前サービスを開始する。試験後、事業を全国に拡大して今年末までに30都市の2,000店舗に広げる計画だという。

▲アリババ傘下の出前サービス餓了麽(Ele.me )

2、スターバックスの会員をアリババの会員システムと融合し、将来アリババ傘下の淘宝(タオバオ)、アリペイ、天猫(Tmall)などの事業をスターバックスと提携する。これにより消費者は将来、淘宝、天猫でスターバックスコーヒーを購入することができる。

3、アリババ傘下の盒馬鮮生(3km以内30分配送サービスを提供している生鮮スーパー)の店にスターバックスの店舗を出店。
店内でスタバ専用のキッチン「外送星厨」を設け、ここで注文されたコーヒーは、店舗から周囲3km範囲で配達できる。これは早ければ9月に上海と杭州の盒马店舗で展開される。

■スタバがアリババとの提携に踏み切った理由とは

スターバックスは1999年に中国に進出した。
20年過ぎた今、中国市場はアメリカに次いで2番目に大な市場となっており、スターバックスは中国コーヒーチェーン市場シェアの50%以上を占めている。現在、中国で3,100店舗以上を有しており、2021年までに5,000店まで増やす計画だ。

しかし、スターバックスの2018年Q3(2018年7月1日まで)の財務報告によると、中国店舗の売上は昨年比2%落下、スターバックス中国市場の売上は9年来で初めて下がった。アリババとの提携は業績回復のための一つの施策と見られる。

コーヒーブランドのO2O戦略の成功例として、中国本土のコーヒーブランドluckin coffeeがある。
luckin coffeeは「インターネットコーヒー」を売りにしており、デリバリー事業に注力していて、価格も庶民路線でスターバックスよりも安い点で短期間で多くの人気を集めた。luckin coffeeは2018年1月から運営を始めたばかりだが、5月までで400余りの店舗を展開するほど猛スピードで急成長している。
オンラインとオフラインを融合して、消費者はアプリで注文する際に、デリバリーか、店頭受け取りを選択することができる。配達費用を加えても、スターバックスよりちょっと安い点が人気だ。

▲luckin coffee ブルーを基調として、トナカイがモチーフのシンプルで落ち着いたデザインになっている。

luckin coffeeホームページhttp://www.luckincoffee.com/

これまで中国のコーヒーブランド市場のトップランナーだったスターバックスに強敵が次々と立ちはだかっている今、従来のやり方では勝てないと判断してデリバリーサービスを開始することの踏み切ったのだろう。スターバックスが従来通り市場シェアを維持できるかに注目して行きたい。


 

■編集部コメント:
モバイル決済、ネットショッピングが発達している中国では、スターバックスの対応は他の越境企業よりも遅れているように見える。
スタバは2016年末に初めて店頭でWeChat payを利用可能にしたが、アリペイが使用可能になったのは更にその後の2017年9月だ。外資ブランドとして少し尖った経営方針のようだったが、続々と競合が登場した現在、ローカルでポピュラーな仕組みを導入する術を取り入れる決心をしたようだ。