中国家電販売大手の蘇寧グループ(Suning)は、7月30日に2018年上半期の業績報告を発表した。
収益は1107.86億元(約1.8兆円)、前年比32.29%増加。純利益は59.97億元(約986億円)、前年同期より19倍増加。
急成長した純利益のうち、約56億元は同社が所持するアリババの株式を売却して得たのものだ。その売却金は蘇寧傘下のコンビニ「蘇寧小店」の建設に投入すると報道された。

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■蘇寧グループとアリババの提携関係

蘇寧グループ(Suning)は1996年に設立された中国江蘇省を拠点とする家電量販店事業を展開する企業だ。
主な事業は家電、百貨、日用品などを実店舗で小売している。2009年に自社のECサイト「蘇寧易購」(Suning.com)をリリースし、EC分野へ参入した。2015年にはアリババと戦略パートナー関係を結び、アリババは蘇寧に出資し第2位の株主となった。このとき同時に蘇寧もアリババの株式を購入している。

アリババは中国EC市場においてシェア1位を占める企業にも関わらず、蘇寧は2018年5月に56億元(約912億円)でアリババの0.51%の株式を売却した。蘇寧は所持しているアリババの株式を売却するのは今回が初めてではない。2017年12月にもアリババの0.22%の株式を売却している。

■株式売却で得た資金をオフライン店舗に投入か

蘇寧の業績報告によると、「蘇寧小店」は2018年の上半期に709店舗をオープンした。
6月30日までで、蘇寧は家電量販店、蘇寧小店、加盟店など店舗を含めて計4,813店舗を有している。今年下半期も、より多くの蘇寧小店を開店する計画だという。

▲蘇寧小店の面積は約150平米

ECも従来と同じ運営方法では発展が難しくなってきており、蘇寧は本来の強みであるオフライン小売へ再び注力していく姿勢を示した。
昨年末から、蘇寧はオフラインへの投入を増やし、2017年12月蘇寧は「スマート小売大開発戦略」を公開した。未来の3年で店舗数を2万店まで拡大する計画を表明している。さらに2018年は5,000店舗を開店する計画を発表。2018年4月、蘇寧はスペイン小売企業Diaの中国事業を買収、Diaのコンビニを蘇寧小店に改造する。

オフライン事業のデメリットは店舗運営に必要な人件費や管理費などの諸経費がかかる点だ。5,000店を開店するには大量の資金投入が必要だ。蘇寧が2回もアリババの株式を売却したのは、この売却金を店舗事業に投入するためだと指摘された。

■蘇寧小店の運営パターン

蘇寧小店はO2O運営パターンを採用。
ユーザーは店舗とアプリの両面から商品を購入することができる。従来のコンビニと比べると、蘇寧小店は日用品以外に、野菜や果物などの商品も販売されている。

▲店内で新鮮な果物なども提供している

蘇寧小店は地域やユーザーの特徴に応じて、違ったコンセプトの店舗を開設していく。例えば、家庭向けの「団地店」は生鮮と果物商品を多めに提供、オフィス街に向けの「CBD店」には、インスタント食品などの商品が多い。その地区のユーザーの特徴にによって違う商品を取り揃えて販売していくようだ。
中国のEC市場では、すでに取引額の成長スピードが緩まってきている。市場競争は日々激化しているが、そんな中オフラインへの投資に目を付ける企業が増加している。