人口13億人を超える中国で2018年の6月末までの中国インターネット利用者は8億人を突破したと報道されました。
人々が日常的にインターネットに触れる機会が増え、中でもEC市場が特に発達している中国では、近年「安さ」よりも「品質」を重視する傾向が強まり、国内の製品では満足できないユーザーは必然的に海外製品の検索に流れ、越境ECの利用者が年々増加。

中国の調査会社iiMedia Research(艾媒咨詢)が発表した「2018年上半期中国越境EC業界レポート」(2018上半年中国跨境电商行业监测报告)では、2018年の中国越境EC市場規模は9万億元(約145兆円)と予測しています。

 

■越境ECの発展環境

・中国政府の政策支持:
中国政府は近年、越境ECの発展に政策支援を行いました。2015年から杭州などの13都市で越境EC総合試験区を設立し、交易額は連続2年で2倍以上増加するという成果を成したため、その後さらに北京、南京などの22都市で越境EC総合試験区を増設しています。
また、越境ECの発展を推進するため、中国当局は税金、決済、通関、海外倉庫などの方面でも関連する政策支援を提供すると公表しました。

▲越境EC総合試験区と設立時期

・米中貿易戦の影響:
2018年に入り、米国トランプ政権では中国商品に対し関税を引き上げるなど措置を取りました。このことに中国は反発し、報復措置を打ち出し米国産品には追加関税をかけると発表し、米中の貿易摩擦は激化しました。米国は中国にとって越境ECの輸出先の三大国の一つのため、米中貿易摩擦は越境ECの発展を阻害されることになると報道されました。

 

■2018年上半期越境ECプラットフォームの市場シェア

iiMedia Researchが発表したデータによると、Kaola(ネットイース子会社が展開する越境ECサイト)は26.2%のシェアを占めて首位に立ちました。
次いで、アリババ傘下の天猫国際(Tmall Global)は22.4%のシェアで2位、3位は京東(ジンドン)の越境ECサイト京東全球購(JD Worldwide・通称:JDW)。フラッシュセールECサイトの唯品会(VIPshop)が展開する越境ECモール唯品国際(global.vip.com)は12.5%のシェアで4位に。

▲2018年上半期越境ECプラットフォームの市場シェア(出典元:iiMedia Research)

ちなみに、首位のKaolaは2018年6月に全称を網易コアラ海購から網易コアラに変更され、越境EC分野だけでなく、総合ECのプラットフォームへと進化する姿勢を示しています。Kaolaは2015年リリースされてから、商品が高品質で、コスパが良いとして多くのユーザーを獲得。その後、中国越境EC分野の先駆者となりました。総合EC分野ではアリババ、京東の両社の戦いとなっていましたが、Kaolaが参入したことにより、総合ECの分野においても、また新たな戦いの幕が切って落とされました。

 

■越境ECのユーザー分析

2017年中国の越境ECユーザー規模は0.65億人、今年は前年比35.4%増加の0.88億人と予想。
2018年上半期で週に一度越境ECプラットフォームを利用して買い物したユーザーの比率は20.2%、前年同期は11.6%。
着実にユーザー数と利用率が増えています。

▲2014〜2018年中国越境ECユーザー規模と予測(出典元:iiMedia Research)

▲越境ECの人気商品産地(出典元:iiMedia Research)

越境ECの国別ランキングでは、日本、米国、韓国、フランス、ドイツはトップ5入り。
日本や韓国の製品は主にスキンケア商品が人気で、欧米製品で人気なのはベビー用品です。
また、ユーザーはプラットフォームの提唱する「本物保証」への注目、関心度が高く、国内では多くの偽物が出回っているだけに、これも越境ECプラットフォームの大きな課題の一つとなっています。

現在、中国消費者の収入の増加と共に、越境ECの商品に対する要求も日々高まっています。
商品の価格だけを見るのではなく、品質と安全性、そして流行(トレンド)などの要素を考慮して買い物をしています。
要求の質が高くなった中国消費者の要望に応じるため、各プラットフォームも出品している商品の質の保証やルートの拡大などを強化することに一層注力して行く姿勢を見せています。

 


・ソース記事:http://www.iimedia.cn/62146.html