中国配車サービス最大手の滴滴出行(DiDi)は26日、利用者の女性乗客が運転手にレイプ殺害された事件により、相乗りサービスの「順風車(ヒッチハイク)」のサービス提供を中止にすると発表した。
滴滴は今年の7月にソフトバンクと手を組んで日本に進出すると発表したばかりだ。滴滴にとって大きすぎる痛手だ。

■3ヶ月に2回も殺人事件が発生。滴滴の「順風車」サービスのリスク

この事件の3ヶ月前に、キャビンアテンダントの女性が深夜に滴滴の「順風車(ヒッチハイク)」サービスを利用した際に運転手に殺害されている。
滴滴はこの事件を受け、順風車サービスを一週間中止した。その後は以前同様にサービスを再開している。
2回目の事件が起きたいま、滴滴は世間から大きな批判を浴びて順風車サービスの提供を一時中止にし、事業部門の関係者二人を解任したと発表した。

▲滴滴アプリの順風車サービスの提供を中止にする通知
8月27日0時からサービス中止

 

滴滴は主に正規タクシー車と、個人車によるタクシーサービスの「快車」、そして今回の「順風車(ヒッチハイク)」の3つのサービスを提供している。
うち「順風車」の参入敷居は他のサービスより低く、ドライバーの多くはサラリーマンで、出社時や帰路中に営業することが多い。タクシーサビービスに比べて順風車のほうが乗客の利用料金が安いため、一定の需要があった。

今回の事件では、犯人の運転手は事件の先日にも別の乗客女性にセクハラで通報されていた。これに対し滴滴は通報を受けたものの、社のポリシーに従って適当な対応をしなかったという。また、事件後に被害者の親友と警察が滴滴のカスタマサービスの担当に運転手の情報を提供をするよう求めたが、カスタマーサービスのマニュアルな対応が調査に影響を与えた。

事件の影響で滴滴のIPO進展は見送りか

この事件で利用者の滴滴への信頼は大きく揺らいだ。
ネット上では滴滴への批判が殺到。「3ヶ月前から行なっていた業務改善の結果がこれかよ」などという怒りを表したしたコメントが多く見受けられ、中国当局は滴滴に業務改善を命じた。

また、この事件は同業にも影響を与え、嘀嗒出行の相乗りサービスの順風車は27日に一時使用できなかった。アリババ傘下の地図アプリの高徳地図は今年3月から順風車サービスを提供し始めた、27日に一時的にサービス提供を中止にすると発表した。

▲Weibo上では有名人からも批判コメント相次ぎ、多くリツイートされた。
画像は「削除したってサービスが良くなることはないだろう?まだ残しておく意味ある?」を煽っている。

中国の複数の有名人もWeibo(中国版ツイッター)で批判のコメントを公開し、滴滴のアプリを削除するようにと呼びかけた。関連投稿は多くの人々にリツイートされていた。

滴滴は早ければ今年下半期に香港でIPOする予定だと報道されていたが、今回の事件を含め、これまで発生した2つの殺人事件で滴滴のブランドイメージはダウン。IPOへの進捗に影響が出だろうと専門家は指摘している。

■滴滴の市場独占疑惑

滴滴は2012年に設立された配車サービス企業だ。
2015年に同業の快的と合併し、2016年にはUber中国を買収してから滴滴は中国配車サービス市場シェアの9割以上を占めることになった、
現在の1日あたりの注文量は3,000万件に達している。

滴滴の市場シェア独占状態に対して世間は懸念の声を漏らした。中国当局は2016年から滴滴に対し反独占調査を行ったが、調査結果は不明。今回の事件を受け、市場独占状態による管理の不行き届きが問題視され、民衆は一刻も早い改善を促した。