中国人気動画配信サイトのbilibili(哔哩哔哩、またb站とも呼ばれる)は8月28日に、2018年Q2の決算を発表した。
収益は10.3億元(約167億円)、前年比76%増加。

■ゲームサービスが収益の77%を占める

▲2016年、2017年度と2018年上期の収益(青)と純利益(赤)(出典元:锋芒智库)

2018年Q2の純損失は7,030万元(約11億円)、前年同期より損失は拡大している。平均MAUは8500万、前年比30%増加。平均有料ユーザー数は300万人、前年比177%増加。

▲Q2の収益構成

ゲームサービスの収益が7.91億元(約128億円)、前年比61%増加。これは全体の収益の77%を占めている。
ソニー傘下のアニメ制作会社であるアニプレックスが手掛けるRPG型スマートフォンゲーム「Fate/Grand Order」と、上海蛮啾網絡科技有限公司と厦門勇仕網絡技術有限公司が共同で開発した「Azur Lane(アズールルーン)」、これらのゲームの運用権がbilibiliの大部分の収益を占める結果となった。
また、ライブストリーミングサービスと付加価値サービス(VAS)の収益は1.2億元(約19億円)、前年比186%増加。
広告業務の収益は9586万元(約15億円)、前年比132%増加。放送されているアニメやドラマに広告を挿入しない点がbilibiliが多くのユーザーに支持されている要素だが、ゲームの収益のみを頼りにしているbilibiliにとっては大きなリスクがあるだろう。

■bilibiliの発展経緯、Acfunとの関係

bilibiliは2009年に設立された、日本のニコニコ動画が開発した弾幕と呼ばれる画面上にコメントを表示する機能を持つ動画サイトで2012年に日本アニメの公式ライセンスを取得している。
2018年3月にナスダックでIPOを果たし、その後の時価総額は約30億米ドル(約3.341億円)、ニコニコ動画運営会社の持ち株会社である「カドカワ(KADOKAWA)」の時価総額約800億円の約4倍相当となった。

bilibiliは動画配信サイトのAcfun(アクファン:a站とも呼ばれる)の会員の徐逸が創立した会社だ。
Acfunは2007年にリリースされた動画共有配信サイトで、二次元好きの若者の間で熱狂的なファンを集めた。しかし、サーバーが不安定で不具合が度々発生することがあり、その時に会員であった徐逸が予備用サイトとしてMikufans(bilibiliの前身)というサイトを立ち上げた。2010年に現在のbilibiliに改称している。サイト不具合の多いAcfunでは、次第にユーザーがbilibiliに流れていくようになり、結果的にAcfunを超える規模へと成長を遂げた。

▲bilibiliが誕生するきっかけとなったAcfunのサイト

今年2月、Acfunは資金難に陥り、一時的にサイトが開けない状態となった。Acfunの失速は止まらず、6月にはショートムービーサービスを提供する快手に買収された。今のBilibiliはAcfunに取って代わる、二次元愛好者が集うサイトとなっている。

■コンテンツ管理問題に直面しているbilibili

bilibiliは今年すでに幾度も中国国家部門に指摘を受けている。
7月26日、中国関係部門は動画サイトの低俗な内容が含まれる動画の配信などに対して調査を行ったところ、bilibiliのアプリは約一ヶ月間アプリストアから撤去され、業務改善を命じられた。他には人気のショートムービーアプリのTik Tokや快手なども処罰されている。
中国は近年、海賊版や低俗なコンテンツへの取締まりを強化しており、bilibiliはコンテンツ管理の問題に直面している。

また、bilibiliの多くの動画配信者は海外の映画やドラマを翻訳して不正にアップロードしており、bilibiliでは広告が挿入されないため、多くのユーザーから支持されたが、著作権問題でbilibiliが訴えられたケースが多発。
2014年、bilibiliはアニメやドラマの著作権を購入する計画を打ち出したが、それでも海賊版は途絶えることはなかった。
2017年7月、bilibiliはサイト内の多くの海外ドラマを撤去し、ユーザーへ大きな衝撃を与えた。楽しみにしていたドラマが一夜経って全部見れなくなったのだからショックが大きい。ネット上ではこの件に関して多くの苦情が寄せられているが、運営側からすると致し方のないことだ。bilibiliはさらにユーザーを失わないために、著作権の問題を解決することが大きな課題となっている。