オンラインショッピングやモバイル決済は今、小売業界にも変革を起こしています。
時代に淘汰されないために、伝統的な大手小売企業もインターネット企業と協業し、最新技術を応用して消費を促すなど錯誤して時代の流れに合わせた努力をしているニュースが最近になって多く見受けられるため、小売業界のトレンドとなりました。

こうした状況下で、フランスの大手スーパーチェーンのCarrefour(以下、カルフール)は近年苦戦を続けていました。
2018年1月、カルフールのフランス本部では社員を2,400人リストラし、経営の重点をECサービスに移行していくと発表。中国市場に対する経営方針も調整し、中国インターネット企業大手のテンセントと戦略パートナーシップを結び、今年の5月に両社がパートナーシップを組んでから初のプロジェクトであるスマートスーパー「Le Marche」を上海でオープンしました。

本記事ではチャイトピ!編集部がLe Marcheの体験レポートをお届けします!

・取材日:2018年9月6日
・取材者:株式会社unbot チャイトピ!編集部
・住所:上海市天山西路蒲松北路18号 カルフール Le Marche

■店内の様子とテンセントツールの応用

▲エントランス

デパート地下一階にLe Mercheがありました。
広々としたエントランス上部にテンセントが提供する「微信支付(Wechat pay)」の看板が目立つところに配置してあります。
Le MarcheではWeChatのミニプログラムで決済する「掃碼購(サオマーゴウ)」というサービスを提供しています。掃碼購の特徴は、下の写真のように商品のパーコードをQRコードリーダーでスキャンすれば買い物かごに入ります。全て買い物かごに入れたらWeChatPayの決済画面に進んで決済することができます。
掃碼購を利用した人用の出口が設けられいて、買い物後には直接専用出口で袋詰めだけすればすぐに出れるので、レジで並ぶストレスフリーです。買い物中にお会計を済ませているので、セルフレジよりも時間を短縮できますね。

バーコードをスキャン(写真左)すると、買い物かごにスキャンした商品が表示され、赤丸の「決済する」をタップすれば決済画面に移動します。

■食品類の商品が全体の78%を占める

店の面積は約4,000平米で、一般的な店舗のSKU5万点から2.5万点に減らしています。
家電などの大きな商品は数を減らされていますが、海鮮、果物、野菜などの食品は品数が増え、全体の78%を占めています。(そのうち輸入食品は17%を占める。)

▲輸入食品がずらりと並ぶ商品棚

▲地下2階の生鮮コーナーは市場と勘違いするほど野菜や果物が多い!

▲購入した海鮮はその場で調理してくれる

地下2階は生鮮食品を取り扱っていて、果物や野菜の種類が豊富。平日の客層は年配者が多く、市場に来たかのように錯覚します。
「Le Marche」はフランス語で市場の意味なので、その名の通り消費者に快適な買い物体験を提供していますね。

また、海鮮売り場では購入した海鮮をその場で調理してくれるサービスがあり、自分好みの調理方法で調理をリクエストできます。(蒸し、揚げ、炒め、焼きの四つの調理方法から選択)これはアリババ傘下のO2O生鮮スーパー「盒馬鮮生」(ファーマーシェンション)と似た仕組みで、スーパー兼レストランは小売企業にとって新たな集客の手段となりました。

■3つの決済方法

決済方法はお好みで3つから選択できます。
1)スマホでバーコードを読み取る「掃碼購」
2)従来の有人レジで現金かカードでの会計
3)セルフサービスのレジでの会計

▲日本も浸透してきたセルフサービスのレジ

▲「1時間内配送ステーション」
ここでEle.me等の配達員が配達商品を受け取ります。

Le Marcheデリバリーコーナーでは、指定地域から商品をオンラインで注文すれば、店舗からデリバリーしてくれるサービスも提供しています。アプリやカルフールのミニプログラムから注文すれば一時間以内に配達されます。
(カルフールは2017年、中国出前2TOPの美団(meituan)と餓了麽(Ele.me)と提携して配達サービスを開始しています。)

■カルフール中国の苦戦、市場撤退の噂は途絶えず

近年、カルフールは日本、ロシアを含めて複数の海外市場から撤退していて、中国市場でも苦戦していました。
カルフールは1995年に中国市場に進出して以来、2016年までで260店舗運営していました。しかし、2009年に売上高が競合である台湾のスーパーチェーン「RT-mart」に抜かれてしまいます。

2015年にカルフールは中国18店舗を閉店し、2017年からカルフールが中国から撤退する噂が何度も流れました。しかし、業績が悪化し苦戦し続けて来たカルフールはオンラインに注目し、2018年の5月にテンセントとパートナーシップを結びました。双方はビッグデータ、スマートリテール、モバイル決済などの方面で協業を展開します。テンセントのチャットアプリWeChatは世界に10億ユーザーを抱えており、膨大なユーザーはカルフールの潜在的ユーザーとなります。

2018年8月、カルフールは中国市場の営業利益は前年比177%増加したと中間決算を公表し、テンセントとの協業が功を成していることアピールしました。そして、スマート店舗のLe Marcheを全国範囲に拡大すると表明。カルフールのスマートリテール策は果たしてこれまでの困難な局面を乗り越えることができるかに注目が集まるでしょう。



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