アリババは9月10日、会長の馬雲(以下、ジャック・マー)が2019年の9月10日に会長を退任すると正式に発表した。
現CEOの張勇がジャック・マーの後継者となる。

■退任後は教師に?

ジャック・マーは大学を卒業し、アリババを創立する前は杭州電子工業大学で英語教師を務めていた。ジャック・マーは、アリババ会長の退任後は、もといた教育の分野に戻ると宣言している。
ジャック・マーはもともとビジネスの世界は2年だけの予定でだったと発言しているが、ビジネス界が彼の才能を必要としていたようだ。ジャック・マーは公的な場で幾度も退任後は教師に戻りたいと語っていた。個人の微博(Weibo)のアカウント名も「田舎教師イメージキャラクター馬雲(ジャック・マー)」とユーモラスな名前にしている。プロフィール欄ではアリババの会長ではなく、ジャック・マー公益基金会創業者と記載されている。(以前はTNC(自然保護協会)世界取締役会取締役と記載していた)アリババ社内でも会長ではなく「馬(マー)先生」と呼ばれているそうだ。


▲ジャック・マー公式微博から
アカウント名は「田舎の教師イメージキャラクター、馬雲(ジャックマー)」
背景画像も田舎の草原を思わせる写真だ。

■後任者の張勇は中国最大EC商戦W11を成功させた人物

張勇(以下、ダニエル・チャン)は上海出身で、上海財経大学を卒業している。アリババに入社する前はオンラインゲーム開発会社の盛大互動娯楽有限公司のCFOに就いていた。同社はナスダックでIPOしている。
張勇は2007年にアリババに入社し、中国最大のC2Cプラットフォーム淘宝(タオバオ)のCFOに就任した。2010年には淘宝商城(現在Tmall(天猫)の前身)のCEOに就任し、2015年にはアリババグループのCEOに就任している。張勇のアリババへの貢献度は計り知れない。ジャック・マーの後継者には、彼以上の適任者はいないであろう。

▲張勇(ダニエル・チャン)
(画像出典元:アリババ公式ホームページより)

2009年、ダニエルチャンが中心になって立ち上げた中国最大のEC商戦であるW11(ダブルイレブン:独身の日)と称したビッグセールイベントは、今や世界最大のネットショッピングイベントへと成長を遂げた。また、モバイル端末での淘宝(タオバオ)の発展に貢献し、スマートフォン版淘宝(タオバオ)は世界最大のモバイルECプラットフォームとなった。
これだけでもダニエル・チャンはアリババに十分貢献をしたが、さらに越境ECプラットフォームの天猫国際、ニューリテールと称したO2O生鮮スーパーの盒馬鮮生の創立を主導した敏腕CEOだ。他社とは大手家電量販店の蘇寧と、大手小売の銀泰などへの重要な投資プロジェクトを主導している。

ジャック・マーはダニエル・チャンをこのように評価している。
「ダニエル・チャンがアリババに入社してからあっという間に11年も経過しています。彼がアリババグループのCEOに就任してからというもの、彼は類い稀なる商才とリーダシップを示し、3年連続でアリババの業績成長を実現させれくれました。」

ダニエル・チャンはメディアに2018年の最優秀CEOランキング1位に選ばれ、ジャック・マーの後任として最も相応しい人物と思われた。
しかし、ジャック・マーの引退を受けてアリババ系株価は下落。ジャック・マーがいなくなるアリババの行き先が世間から懸念されている。

ジャック・マーは中国のみならず、世界中に影響を与えた偉大なる起業家としてビジネス界にその名を刻んだ。
「本当に好きなこと」で生きていく覚悟を決めたという彼自身の「生き方」も、また多くの人々に感動を与えただろう。
ダニエル・チャンが率いる今後のアリババの発展を願う。