中国で本のECサイトとして有名な当当は(dangdang)は、海南航空グループ傘下の子会社である海航科技に買収される計画であったが、海航科技は19日、買収案を中止にすると発表した。中国EC分野の激しい競争の中で業績が落ち込み続けている当当のこれからの行き先はどうなるのか、当当は何者なのかを解説しながらお話ししましょう。

■淘宝より古いECサイト、当当とは何者なのか

当当は1999年成立された本に特化したECサイトであり、アリババ傘下のECサイト淘宝(タオバオ)よりも先に成立され(後者は2003年に創立)ている。中国EC分野においてもっとも古いECサイトの一つだ。
当当は2010年にニューヨークで上場を果たしており、実は初めてアメリカで上場した中国B2C企業である。

創業者の李国慶夫妻は、当時企業の約50%の株式を保有しており、アマゾンやテンセント、百度などの大企業が当当に投資の相談を持ちかけたが、最終的に取引は成立しなかった。李国慶夫妻は企業の絶対的な決定権を握っているため、現在では時代のチャンスを逃した残念な企業としてメディアに指摘されている。

▲2017年中国B2Cプラットフォーム市場シェア(出典元:中国商務部)

後発のECサイトの淘宝や京東(ジンドン)が秒速で成長したが、当当はその流れに反して市場シェアはどんどん下がった。
2009年、当当は中国B2C市場の40%の市場シェアを占めていたが、2017年市場シェアは0.4%までに降下。
2017年の登録ユーザー数は2.3億人、MAUは438万人。

■海航グループが資金難に陥り、買収が困難に

海航が当当を買収する交渉は2017年初旬から噂され、2018年4月に海航は75億元で当当を買収する計画を正式に公表した。

海航グループは中国の複合企業大手で、1993年創立してから地方の航空会社から航空、物流、金融などの事業を展開する復興企業へと成長。しかし、2017年末から子会社の債務問題が続出し、海航の資金問題が報道された。

海航はこれまで買収や出資を通して事業を拡大しており、今回も当当を買収して全く経験のないEC分野へ進出する姿勢を示した。
しかし、海航自身が負債問題を抱えながら当当を買収することに懸念の声が途絶えなかったため、買収案が中止になった件に対して驚きはない。

■当当の行先は?

当当は中国で最初に成立したECサイトだが、後発企業が急成長を遂げる中で、当当は衰退の一途を辿った。
同じく本のECから事業を始めた米企業のアマゾンは総合ECサイトへの転換に成功している。当当も実は2014年からアパレル製品の販売を開始したが、すでにこの分野には唯品会(VIPshop)や聚美優品などのアパレル分野に特化した競合が存在していた。その後、京東(JD.com)が本の販売に力を入れて、当当の中核事業に挑戦した。当当のアパレルECへの転換は成功できなかった上に、強みである本の分野でも京東、天猫(Tmall)、アマゾン中国からの挑戦を受けて、市場シェアが瞬く間に縮小してしまった。

▲当当のホームページ
本、服装、マタニティー、家電、食品など商品を取り扱っている。

現在の当当のホームページを開いてみれば、本、服装、マタニティー、家電、食品などオールマイティな商品を取り扱っているが、残念ながら未だに多くの中国人は当当に対して「本の販売サイト」というイメージしか持っていないようだ。総合ECサイトとしてのブランディングに失敗している。しかし、当当は一定のユーザーとデータを持ってることが強みとして残っている。海航からの買収が中止になった今、当当は次の売却先を探す可能性があるが、売却金額は安くなる可能性が高いだろう。