中国最大のEC商戦、ダブルイレブン(独身の日、以下W11)が開催されてから、今年は記念すべき開催10周年を迎える。
W11は2009年にアリババの天猫(Tmall)が11月11日の1の字を「独身」に見立てて「独身でも買い物を楽しめばいいじゃないか!」というコンセプトで「独身の日」をW11と名付けてビッグセールイベントを開催したのが起源だ。それからは京東(JD.com)、蘇寧(Suning)など後発競合他社も続々と便乗してW11セール開催し、W11は中国最大のEC商戦へと大成長して毎年の恒例行事となった。
仕掛ける側にとっては1年で最大の商機であり、消費者にとっては年間で最大の爆買いイベントである。

しかし、ご存知でしょうか?

W11は、もう1日限りのイベントではない、ということを。

今年3月、天猫の総裁である靖捷(ジン・ジエ)は、今年の天猫W11は従来と異なり、1日のみの開催ではない可能性があることを発表した。
現在、天猫が発表したW11日程表から見ると、今年のW11は例年通り11月11日当日が本番だと明記してあるが、ほかに聞きなれない単語が記載されていた。10月20日からを「予熱期(以下、ウォームアップ期間)」としているのだ。

■「ウォームアップ期間」とは?

天猫と京東は今年の10月20日から開始する「ウォームアップ期間」を以下のように公表した。

・天猫(Tmall):

・ウォームアップ期間:10月20日〜11月10日

・正式イベント開催日:11月11日
・京東(JD.com):

・ウォームアップ期間:10月20日〜10月31日

・正式イベント開催日:11月1日〜11月12日

中国シェアのトップ2を占めるECプラットフォームのW11の日程は酷似している。ウォームアップ期間とは、イベント本番日のためにW11が開催する宣伝に注力し、ユーザーの注目を集めるための期間だ。
この期間中に、消費者は気に入った商品をできるだけ買い物カゴに入れておくことで、正式にイベントが開始された時点で一緒に決済できることが利点だ。また、ウォームアップ期間に予約販売の商品の一部の代金を支払うと、正式イベント時には本来支払うはずの残金よりも安い金額で購入することができる。こうした裏技を使うと、W11セール本番期間中の売上が事実上伸びるのだ。毎年、各社のW11後の売上金額の公表に注目が集まるため、各社は試行錯誤して1円でも多く売上金を増やせるようにプロモーションを行なっているのだ。
W11終了後のデータに目が行きがちだが、内側のこうした運営企業側の裏技はあまり報道されていない。

▲地下鉄構内の蘇寧(Suning)のW11の広告(撮影:チャイトピ!)
各社積極的に街頭広告を出稿している。

■W11の売上数字の裏側

W11の主役として、天猫と京東はより良い売上金額を出すためにあらゆる方法を考えた。
2017年のW11の後、京東は累計注文額は1,271億元(約2兆607億円)と発表した。
実はこれは11日のみの集計額ではなく、11月1日〜12日までの売上額を計上しているのだ。
これについてアリババは「京東さんは随分と数学がいいね〜」と皮肉した。これに対して、京東は「天猫さんこそ、20日前から予約販売を開始されていたじゃないですか〜」と反発。消費者が一心不乱に買い物を楽しんでいる裏側では、EC業界のライバル同士のバチバチとした戦いが繰り広げられているのだ。

なんといっても、最後の売上はW11を開催した各ECプラットフォームの成績表のようにメディアに注目される。
各企業それぞれ血眼になって、「○×会社には絶対に負けないぞ!」と、より良い成績を出せるように戦っているが、W11イベント終了後の各社の統計方法も統一されているわけではないため、公表された数字だけでは、本当は良し悪しを比較し難いのだ。

今年もウォームアップ期間を含めて、W11セールの期間中は出店者はクーポン券、フリーギフトなどを用意して様々な販促活動を展開している。チャイトピ!は引き続きW11を開催する企業の裏側と消費者の動向を追ってお伝えいたします!