中国ECシェア2位の京東(JD.com)は、10月18日から個人向けの宅配サービス「JD Express(京東宅配)」を開始したことを公表した。

■京東宅配の利用方法

京東宅配の集荷依頼は、京東のECアプリあるいはWeChat上の京東速達ミニプログラムから依頼できる。
アプリの画面に4つのメニューから好みのものを選択が、画像右下の「音声による集荷」サービスはまだ開通してない。
現在は「集荷依頼(1時間以内)」「複数配送」「スキャンして配送」この3つのサービスを利用できる。

▲京東ECアプリの個人宅配サービス画面

  1. 一般的な集荷サービス。スマホから郵送先の住所と受取人の名前を記入してから、配達員が1時間内に荷物を集荷しにくる。
  2. 複数の荷物を郵送するサービスに便利な「複数配送サービス」
  3. QRコードによる配送サービスで、京東の宅配QRコードをスキャンして集荷依頼できる。

配達をより特別な配達スタイルで希望する場合は、オプションで京東の最高級の専属配送サービス「ホワイトグローブデリバリーサービス」を利用することも可能だという。
現在は北京、上海と広州の3都市に暮らすユーザーのみ京東宅配サービスを提供しているが、配送先は中国の大部分の地域をカバーしている。京東は来年からこのサービスを全国範囲で展開できるように計画している。

■京東物流が見せる個人向け配達サービス市場への野心

京東グループは2017年に物流事業を独立させて、「京東物流」という物流子会社を設立。
京東物流は京東のECサービスのサポートをする役割として、倉庫から荷物を運送し、消費者の手元に商品を届けるサービスを展開している。
独自の物流網を中国全国に張り巡らせており、90%以上の注文を当日あるいは翌日に配達している。本物で品質を重視する高級市場をターゲットに、効率と安全性の高いサービスの提供を目指している。

京東は今回、これまで培って来た自社物流の強みを活用して、個人向けの速達サービス分野に進出すると発表した。しかし、この分野ではすでに値段が庶民路線の「四通一逹」(中通、申通、圓通、汇通、韵達)と高級路線の順豊(S.F. Express)が市場シェアを占めている。すでに市場が頭打ちになっている今、京東は新参者として個人宅配市場への野心を示した。これには先に名を連ねた先輩陣も、自分たちの陣地に京東が足を踏み入れて来たことに恐れを抱いたことだろう。果たして、京東はこれまでに培ってきた物流経験の優位性を活用して、この速達分野のダークホースとなるのか。

■京東物流 王振輝CEOコメント
「私たちは新しい配送サービスを開始することに非常に興奮しています。これは、京東が過去10年間に構築した全国の物流ネットワークを活用して、ユーザーが利用できるサービスの範囲を広げるための次のステップとなります。京東は、中国全土で最も速く、信頼できる配送として知られており、この新しいサービスによってユーザーにとってさらなる利便性を提供できると確信しています。」
引用元:京東公式プレスリリースより

同じく高級市場をターゲットにしている順豊(S.F. Express)は安全、快速、高品質が揃った物流サービスを提供している企業で、2017年中国速達サービス企業満足度調査結果で一位を獲得。配送スピードでは業界で最速だと評価されている。
京東の市場参入は順豊にとって一つの脅威になるだろうと指摘されたことが影響してか、京東が市場参入を発表した日に順豊の株価は2.41%下落した。

京東、アリババを含めて中国の大手EC企業は、近年物流分野のサービスを強化している。
自社のコアサービスであるECサービスをサポートする役割として開始した自社の物流サービスが、新たに個人向け配達サービスを開始し、全面的なサービスに拡張している。将来的には企業買収や合併等が発生し、アリババや京東が中国の物流運送市場でも天下を取る可能性も十分に考えられるだろう。


 

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