中国で人気のニュースアプリ、今日頭条(Toutiao)は9月にECアプリの「値点」をリリースし、新たにECサービスを展開した。
今日頭条の親会社はTikTokを展開するByteDance(北京字节跳动科技有限公司)。
ニュース配信アプリで膨大なユーザーを獲得している今日頭条は、ついに中国で最も加熱しているEC業界へ野心を示した。

■中国メディア分野で新勢力となった今日頭条

中国市場調査会社艾媒咨询(iiMedia Research)が発表したデータでは、2018年6月今日頭条のMAUは2.4億人。ニュースアプリランキングでは2位に君臨している。(1位はテンセントニュース)

▲2018年6月中国ニュース配信アプリMAUランキング(出典元:iiMedia Research)

親会社のByteDanceが運営するショートムービーアプリのTik Tokは7月に海外バーションのユーザーを含めた世界のMAUが5億人を超えたことが発表されている。
今日頭条の大いなる成長は、中国SNS最大手のテンセントにとって脅威となった。テンセントは自社のチャットアプリWeChatでTik Tok関連のリンクシェアを遮断するなど、今日頭条の発展を阻止する措置をとっている。それでもなお今日頭条は困難に屈することなく、今も成長を続けている。
今回、今日頭条はニュースアプリで獲得した大量のユーザーを抱えてEC業界に参入する。テンセントはEC大手の京東(JD.com)に出資しているため、両社の戦いは再燃するだろう。

■アプリ「値点(Zhidian)」の特徴

「値点」アプリは、今年9月に予告なしでリリースされている。
調べたところ、今日頭条傘下のアプリだということが分かった。リリースの告知がなかった点に関して一部の業界専門家は、今日頭条はEC分野での経験が薄いため、保守的になり派手な宣伝を行わなかったのだろう、と指摘している。

▲値点のスマホ画面

値点は現在中国で市場シェア1位の天猫(Tmall)と、2位の京東(JD.com)のアプリに比べて操作画面がシンプルに見える。
取扱い商品はメンズファッション、食品、電化製品、日用品など。リリースされたばかりのためか、今のところ販売している商品数は多くない。商品カテゴリーもタオバオや京東ほど豊富ではない。価格は庶民派路線で安い印象だ。トップ画面には送料込みで9.9元(約150円)の商品の特売ゾーンが設けられている。
値点は現在自社でブランドから商品を購買して販売している。決済方法は着払いとオンライン決済の2つの決済方法を提供している。

▲「値得看」というニュース配信画面

また、注目すべきなのはこのアプリの中で、今日頭条は自社の強みであるニュース配信サービスを導入している。ナビ左から二つ目の「値得看」(読むに値するを意味する)をタップすると、今日頭条アプリで配信しているニュースを閲覧することができる。

■今日頭条のEC分野への試みはこれが初めてではない

実は、今日頭条がEC分野に踏み入れるのは今回が初めてではない。
2014年に今日頭条はニュースアプリ中で「今日特売」というECニュース配信専用のカテゴリを打ち出している。ユーザーが記事中のおすすめ商品に興味持った場合、リンクをクリックすれば直接天猫(Tmall)や京東(JD.com)の購入画面に飛ぶことができる仕組みだ。

さらに、2017年「放心購」というECプラットフォームをリリースしている。しかし、今日頭条のECサービスがうまいこと軌道に乗ることはなかった。こうした過去の苦い経験から、今回リリースされた「値得」も、一定の実績を上げるまではひっそりと運営をして様子を見る計画だったのかもしれない。何にせよ、今日頭条のEC分野に対する熱意はネバーギブアップのようだ。

今回に似た事例を挙げると、中国検索エンジン最大手の百度(baidu)も大量のユーザー抱えているため、何度もEC分野へ進出を試みているが、度々失敗に終わっていた。2007年に百度は初めてEC分野への進出を宣言し、「有啊」というECプラットフォームを打ち出している。さらに2011年には日本の楽天と提携して、B2Cプラットフォームの「楽酷天(読み:ラクテン)」をリリースしているが、それもまた2年後に運営を中止している。

今日頭条も今、当時の百度を彷彿させる課題に直面している。
SNS、メディア、ショートムービーなどの事業で獲得したユーザーをどのように商売に転換し儲けるか、これは今日頭条のECサービス発展の大きな課題だ。

値点アプリは今後どこまで拡大できるのか、チャイトピ!は引き続き最新情報をお伝えいたします。