中国で最大のEC商戦、独身の日(以下、W11)がいよいよ今週末に本番を迎える。
アリババのECモール天猫(Tmall)が始めたこのビッグセールイベントは今年も多くの競合ECモールが参戦する。
その中でも注目されているのが今年の7月にナスダックで上場を果たした拼多多(以下、ピンドウドウ)の動きだ。
ピンドウドウはダブル11の前にしっかりと存在感を示している。

中国EC界のダークホースと称されたピンドウドウはEC大手のアリババの天猫(Tmall)やテンセントから出資を受けている京東(JD.com)に脅威を与えた。ピンドウドウは模倣商品を取り扱った問題で多くの消費者やメディアからバッシングを受けているにも関わらず、今なお多くのブランドが出店している。例を挙げると、今年6月からスマホメーカーのxiaomi(小米)、家電販売大手のGOME(国美)、本専門のECサイトdangdang(当当)がピンドウドウに出店している。

■ピンドウドウのW11ウォーミングアップ期間

ピンドウドウの公告に記載されたW11セール期間は10月28日〜11月11日。11月11日の当日は熱狂のピークを迎える。
ピンドウドウはこの期間中に様々なセールイベントを行った。
毎日朝6時から行われるタイムセールは、1元(約16円)で服を買えるほどの激安だ。このほか、一定の購入金額に達した場合に割引をする、競合のモールが良く使う施策を採用している。

▲拼多多のW11セール画面

ピンドウドウは、11月2日時点で、最新のiPhone(XR等)がすでに12万台売上げたことを発表している。
iPhoneXSmax、の64Gは8,666元(約14万円)で販売されている。(中国アップル公式サイトの価格より900元(約1万5千円)ほど安く販売されている)また、ピンドウドウでは時間限定の400元(約6千円)のクーポン券を発行してるため、それを獲得できた場合はさらに安い8,266元(約13万5千円)で購入できることになる。

■ピンドウドウの脅威と課題

W11はアリババの天猫(Tmall)が最初に「11月11日、独身でも買い物を楽しめばいいじゃないか」と打ち出したビッグセールイベントで、今年で開催10年を迎える。天猫の交易額は毎年増え続けており、初年度の2009年の0.5億元(約2.8億円)から2017年には1,682億元(約2.7兆円)まで規模が拡大した。

しかし、天猫の成長率は毎年減少傾向にある。
2011年の455.6%の成長率をピークに、2017年の成長率は39.4%までに減少しているため、中国のEC市場がほぼ頭打ち状態になっていることがわかる。天猫(Tmall)の成長率が芳しくないのは、競合である京東(JD.com)や蘇寧(Suning)、拼多多(ピンドウドウ)に市場シェアを取れたことが原因だと専門家は指摘している。

▲2009~2017年天猫ダブル11の交易額と成長率(出典元:公開資料)

ピンドウドウはリリースして3年も経たないうちにナスダックで上場を果たした。模倣商品の取り扱いが批判される一方で、凄まじいスピードで成長している事実を見ると、一定の需要はある、ということだ。他のECモールが続々と高級路線で売り出している中、ピンドウドウはうまいことターゲットを第三、四線級都市(庶民、農民層)のユーザーに絞ったことが功を奏でた。
ピンドウドウ上場後初のW11は注目されるチャンスかつ大きな挑戦でもある。
W11に向けてピンドウドウは模倣商品の対策を強化し、W11で天猫(Tmall)や京東(JD.com)と同じ土俵で戦う姿勢を示している。

しかし、ピンドウドウがW11で成功するにはいくつかの課題がある。

  1. 常時低価格で販売しているため、W11でさらに低価格に設定すると販売者の利益がさらに減る。
  2. 独自の複数購入型サービスはW11に適さない。拼多多が成功した鍵である複数購入型サービスは、共同購入する仲間が必要なため、他モールでは安価になった商品を一人で気軽に購入できるが、ピンドウドウはそれができないため複雑だ。シンプルでお得な購入体験の方がユーザーに好まれるため、独自の仕組み上厳しい状況にある。
  3. ピンドウドウはWEBサイトもあるが、商品購入にはQRコードをスキャンしアプリから購入しなければならない仕組みになっているので操作性が良いとは言えない。スマホアプリをメインに商品を販売しているためPCユーザーを取りこぼす可能性が大きい。この点、他ECモールの方が高い優位性を持つだろう。

▲現在のピンドウドウのWEBサイト
商品購入にはQRコードをスキャンしてアプリから購入しなければならない

 


拼多多(ピンドウドウ)はSNSを利用して急成長を果たしたが、成長の要因となった部分がW11で勝つための弱点となっている。
今週日曜日に本番のW11で、ピンドウドウがどのような成績を残すのか、各メディアからの注目が集まる。
チャイトピ!では追って最新情報をお伝え致します。