テンセントは近日、金融サービス「零銭通(りんせんつう)」をリリースした。
ユーザーがこのサービスを開通するとWeChatPayの残高を決済に使えるほか、自動的に利息がつく。
機能はアリババが提供するアリペイの余額宝(ユアバオ)と類似しているため、WeChatPay版余額宝と呼ばれている。

■零銭通の特徴と利用方法

アリババはアリペイの各ユーザー残高を資金に、資産運用することを思いつき「余額宝(ユアバオ)」という理財商品(財テク商品)を2013年6月にリリースした。
アリペイから余額宝に入金すると銀行よりも高い利子がつく。これはユーザーメリットが大きいために瞬く間に多くのアリペイユーザーから人気を集めた。

今回テンセントが開発した「零銭通」は、先に述べたアリペイの余額宝と仕組みが酷似している。
WeChatPayの残高画面に入ると零銭通サービスの開通入口があるから利用手続きができるが、現在は一部のユーザーにのみ公開している。サービス開通後、ユーザーは銀行カードやWeChatPayの残高を零銭通に入金することができる。

▲「零銭通」のスマホ画面
「開通」ボタンをタップするとサービスを利用開始できる。

■「零銭通」の主な2つの機能:

  1. 決済:本来のWeChatPayと同じように、ホンバオ(紅包)の送受信、送金、QRコードでの支払いが可能。
  2. 投資:基金を購入すると、利息がつく。

▲余額宝と零銭通の利回り

11月現在、アリババの余額宝の利回りは(年率換算、7日移動平均)は2.5%、対するテンセントの零銭通は3.2%で余額宝を少し上回る。

 

■理財商品分野でもテンセントとアリババの競争が白熱化する

中国は今大手インターネット企業が伝統的な小売サービスに対してニューリテール(新小売)と称してO2O戦略を打ち出して小売業界に変革をもたらした。中でもインターネット企業最大手のテンセントとアリババの競争は年々白熱化しており、EC、SNS、小売の分野においてはこの2社の影響力が強い。下の図の通り、モバイル決済分野でもアリババとテンセントのペイメントサービスが市場シェアの2TOPだ。

▲2018年Q1の中国第三者モバイル決済市場シェア(出典:iiMedia Research)

中国リサーチ会社iiMedia Research(艾媒咨询)のデータによると、2018年Q1の第三者モバイル決済市場のシェアはアリババは49.9%を占める。次いでテンセント(WeChat Pay、QQ銭包など)が40.7%を占める。WeChatPayはアリペイよりも後発だが、テンセントが展開するチャットアプリは世界で10億人以上のユーザー数を抱えている。そしてSNS特有の利便性と、ユーザーのアプリ滞在時間が長い点が強みがあるため、近年アリペイを追い越す勢いで数多くのユーザーを獲得しているのだ。
テンセントがWeChatPayに続いて打ち出した「零銭通」は「余額宝」の対抗馬と報道されており、アリババの一人勝ちにさせないようにテンセントは理財商品方面でも競争する姿勢を示したことになる。