中国旅行予約サイトを運営する同程芸竜ホールディングス有限公司(以下:同程芸竜)は、11月26日香港証券取引所でIPOした。
時価総額は221.51億香港ドル(約3,205億円)。筆頭株主はテンセント。
テンセントが展開するチャットアプリのWeChatミニプログラム(WeChat上で起動するアプリ)を通じて急成長した同程芸竜は、共同購入ECプラットホームを運営する拼多多(ピンドウドウ)に続いて、テンセントサービスに依存して上場を果たした中国企業となった。

■合併から一年足らずで上場

同程芸竜は、旅行予約サイトの「同程」と「芸竜」が2018年に合併して創設された旅行会社である。
同程は2004年に設立した会社で、2012年〜2016年の期間中に4度もテンセントからの投資を受けている。
芸竜は1999年設立した旅行会社で、最初にアメリカで創業している。その後、中国国内に進出し、2004年ナスダックでIPOした。2016年に流通していた株を市場から買い戻して、上場廃止にしている。

両社の筆頭株主はどちらもテンセントである。
テンセントと二番手の株主であるCtrip(携程)の推進の下、2018年3月に両社は合併して、新会社の「同程芸竜」を創設した。

▲同程と芸竜合併前の資金調達一覧

同程芸竜が今年6月に発表した目論見書では、テンセントが24.92%の株式を所有する筆頭株主で、その次にCtripが22.88%の株式を所有している。テンセントは同程芸竜に自社サービスを利用するユーザーを提供し、Ctripはサプライチェーン方面で同程芸竜に協力する。また、11月に更新した目論見書では、Ctripの所有する株式が24.31%に増加し、筆頭株主であるテンセントとの所有率が僅差となった。

合併前の2016年、同程と芸竜は赤字であったが、合併後に同程芸竜の業務量は急増し、2018年上半期の純利益は6.34億元(約103億円)を叩き出した。また、同程芸竜の2018年Q3のMAUは2.06億人、2017年の平均MAUは1.21億人である。

■WeChatのミニプロフラムを通して急成長

同程芸竜の主な事業は鉄道と航空便などの交通チケット予約とホテル予約サービス。
テンセントのチャットアプリWeChatには同程芸竜のミニプログラム入り口が設置され、同程芸竜のオンラインユーザーの約7割がテンセントサービスから流入している。

▲WeChatPayサービス(左図)に設置された交通チケットとホテルのナビをタップすると、同程芸竜のミニプログラム画面に飛ぶ(右図)

10.8億人のユーザーを抱えるWeChatは、チャットの機能だけでなく、WeChatPayによるモバイル決済サービスや企業の公式アカウントが提供するコンテンツ、映画チケットやホテル予約等のサービスも提供する総合生活プラットフォームとなっている。WeChatは人々の生活の隅々に浸透している点が強固な強みだ。

テンセントが出資しているECプラットフォーム拼多多(ピンドウドウ)は成立から3年足らずで上場を果たしており、WeChatを活用した共同購入サービスが急成長の要因となった。同程芸竜も同じように、テンセント抱える大量のユーザーに依存して急成長した企業の一つとなった。しかし、テンセントのサービスに過度な依存をした経営は、万一、テンセントと離れた場合、同程芸竜はすぐさま不利な環境に陥るだろうとして危険性が高いと専門家は指摘している。