1月11日、中国シェア第2位のECモール京東(JD.com)のApple旗艦店はiPhone 8,iPhone 8 Plusの価格を引き下げた。同日、家電販売サイトの蘇寧易購もiPhone XR,iPhone Xなどの価格を引き下げた。そのほかにも、天猫(Tmall)のiPhone価格も調整され、一部のモデルの価格は歴代最低を記録した。

中国三大ECモールが相次いでiPhoneを値下げしたことに対し、Apple社は直接関与の有無を明らかにしてないが、Appleが中国スマホ市場での支配的な地位をすでに無くし、苦境に直面していることは明らかだ。

15%前後の大幅値下げ

 

▲値下げ後のiPhone 8(京東)

具体的な価格としては、京東のiPhone 8(64G)が3999元(約64,000円)、iPhone 8 Plus(64G)が4799元(約76,900円)など、以下の表の通り軒並み15%前後の値下げをしている。

さらに、Apple中国オンラインストアでも2018年12月から、下取りによって新モデルのiPhone XRとiPhone XSを安く買えるイベントを始めた。

実は、これら一連の値下げには以前から兆しがあった。Appleは1月2日、19年度第1四半期(18年度第4四半期)の業績予想を修正したが、修正後の業績予想は以前予想した数字を下回るだけでなく、市場の期待も大幅に下回ることとなった。この業績予想の影響を受け株価が大きく下落し、Appleは予想下方修正の主な原因は中国市場での販売不振だと表明した。

中国におけるAppleの売上ピークは2015年、iPhoneの販売台数が中国スマホ市場25%をしめた時だ。しかし、それ以降市場シェアは19%までに下がり、今後は19%を保つのでさえ難しいだろうと指摘されている。

中国国内ブランドからのプレッシャー

世界的にスマホ市場全体の成長が鈍化しつつあることもAppleに影響を与えた。2018年の世界スマホ販売数は初の降下傾向にある。

中国国内のスマホメーカーHuawei(ファーウェイ)は近年、品質の高いスマホの市場においてAppleの強力なライバルとなっている。以前はAppleも中国のハイエンド市場では統治的な地位を持っていたが、近年公開されたモデルに目新しいものはないにも関わらず、価格は上がる一方でユーザーが離れていくことは避けられない状態にある。そして2018年Q2、ついにHuaweiの販売量はAppleを超え、SAMSUNGに次ぐ世界第二位のスマホメーカーとなった。

また、現在AppleとQUALCOMM(クアルコム)の特許を巡る競争もAppleの中国での苦境をさらに悪化させることになるかもしれない。

2017年、チップ開発企業のQUALCOMMは特許権侵害の理由で世界六ヶ国においてAppleを起訴した。一年後の2018年12月、中国裁判所はAppleがQUALCOMMの特許を侵害したとして、iPhone Xを含め7機種の中国での販売の停止を命じた。その後Appleは中国でのiPhone全機種の販売を続行すると表明したが、QUALCOMMとの問題の根本的な解決無しには、Apple中国市場はその影響を今後も受けることになるだろう。