中国は今2018年度決算報告発表のシーズン真っ最中で、スマホ販売やインターネットサービスを展開するXiaomi(小米、シャオミ)と空調メーカー大手の格力(グーリー)の決算に注目が寄せられた。というのも、この両社のトップが5年前に始めた賭けにいよいよ決着がつくからだ。Xiaomi会長の雷軍(レイ・ジュン)と格力董事長の董明珠(ドン・ミンジュ)は2013年、5年以内にXiaomiが格力の収益を超すことができればXiaomiの勝ち、負けた方が10億元(約164億6000万円)支払うという賭けを始めた。

本当に10億元を支払うかどうかは別にして、冗談半分で始めた賭けとは言えどもXiaomiは空調機器の生産を始めたり、格力も自社ブランドのスマホを打ち出したりと互いにライバルの畑に乗り込むなど、この勝負に勝ちたいという必死さがうかがえる。

収益の数字ではXiaomiの敗北

Xiaomiは3月19日、上場後初の年間決算を公表した。決算報告によると、2018年度の年間収益は1749億元(約2兆8700億円)。格力も今年1月に2018年度決算予想を公開し、年間収益は2000億〜2010億元(約3兆2900億~3兆3000億円)であったと予測している。

つまり格力の最終決算が予想と大差なければ、雷軍は約250億元(約4200億円)の差で董明珠に負けたことになる。

新興企業と製造業大手の競争

収益の数字だけを見るとXiaomiの負けだが、賭けを始めた5年前にさかのぼると、当時Xiaomiは成立わずか2年の若い企業で、年間収益もわずか256億元(約4200億円)だった。それに比べ、中国国内の大手メーカーとして格力は当時すでに約1200億元(約1兆9700億円)の収益を持っていた。このわずか5年の間にXiaomiは上場を果たし、収益も6倍増させるなど非常に大きな成長を見せ、大手・格力との差をみるみるうちに縮めていったのであった。

このXiaomiと格力の競争を、新興ネットビジネス企業と製造業大手の競争であるとの見方をする国民も多い。ではなぜXiaomiは本来スマホメーカーのはずであるのに、製造業ではなくネットビジネス企業と分類する見方も大きいのだろうか。

Xiaomiの創業当初のビジネス形態といえば、一般的なスマホブランドとは違ってオンラインのみでのスマホ販売を展開しており、「オンラインスマホブランド」として知られた。当時実店舗を持たずオンライン店舗のみに依存した販売形態は珍しく、さらに部品を自社工場でなく外部企業に発注して生産していた点もかなり珍しい。しかしこの「Xiaomiスタイル」も驚異的なスピードで成長していき、その潜在力を広く示した。

2018年のXiaomiのスマホ販売台数は1.19億台で、世界のスマホ販売数が落ちている中、反対にXiaomiは前年比29.8%増を記録した。しかしその裏では課題も抱えている。第一にはHUAWEIやvivoなど中国国内のスマホブランドとの日々白熱化する競争である。関係データによると、Xiaomiの2018年Q4の中国市場でのシェアは前年比35%減と全体の10%となった。世界的にスマホ市場の成長が鈍化しているという厳しい状況を切り抜けるべく、Xiaomiもスマホ事業以外にIoT関連商品の開発へ注力するなど事業を拡大している。今後もXiaomiや格力などの中国大手企業は日々変わっていく情勢にどう向き合っていくのか注目していきたい。