「斗魚(douyu)」はゲームのライブ配信をメインとした中国の動画配信サービス。
中国湖北省武漢市に拠点を置いている武漢斗魚網絡科技有限公司によって運営されている。
そんな斗魚が今年7月17日にアメリカにて上場を果たし、時価総額は約250億元(約3900億円)にも上った。

幾度となく上場タイミングを逃した

中国の動画共有サイト「AcFun 」からスピンアウトした「斗魚」では視聴者はプレイヤーがライブ配信でプレイしている様子や録画された配信を観ることができる。好きな配信者にバーチャルなプレゼントを送ることができ、それが配信者の収入源となり、「主播」(ネット配信者)という職業の人気に火をつけた。

▲「斗魚」のトップ画面(左)・配信のルーム画面(右)

中国スマホゲーム市場の成長と4Gネットワークの整備により、2016年からライブ配信市場は急速に成長し、「虎牙」や「斗魚」、「pandaTV」などたくさんのライブ配信プラットフォームが登場した。 「アリババ」や「テンセント」などのトップ企業もライブ配信の将来性を見込み積極的に投資を行い、一層市場を過熱化させた。

そのような渦中で2018年、「斗魚」は数ある競合サービスの中で1番ユーザー数・ダウンロード数の多いゲーム配信サービスとなった。 しかし、契約した有名な「主播(配信者)」による事件、中国当局の取り締まり、一時アプリストアから削除されるなど悪印象なニュースが相次ぎ、「虎牙」の上場に続くことができなかった。

ライブ配信市場の業績

「斗魚」
・2019年に初めて四半期ベースで黒字に転換
・2019年第1四半期・MAU(月間アクティブユーザー)は1.6億人
そのうち有料ユーザー数は600万人居り、純利益は3530万元

競合他社
・2018年に「虎牙(huya)」や「映客(inke)」といった競合他社が上場

上記から、ライブ配信市場は好調のように見える。
しかしライブ配信が1つのツールとして各業界で活用されるようになるなど、この1年間で市場は大きく変化した。
したがって今、ライブ配信専門サービスの将来性は懸念されている。

ツールと化した配信サービスの行く先は?

現在、動画配信を一つのツールとして活用する企業が増え、「斗魚」や「虎牙」などのライブ配信専門のプラットフォームは優位性がなくなった。

 ライブ配信市場を見込んでいた有力な投資家等は、頭打ちになる市場情勢に相次いで手を引いた。その結果「pandaTV」など資金問題により経営破綻に陥ったプラットフォームもあった。

さらに「TikTok」のようなショート動画アプリや「タオバオ」を代表とするECプラットフォームは自社のコアサービス向上のため、ライブ配信を利用したサービスを続々と打ち出した。ある報道によるとショート動画アプリ「快手」の2018年のライブ配信による収益は200億元にのぼる。

▲快手のゲーム配信(左)・タオバオの商品試着配信(右)

また、EC企業もライブ配信を利用したポロモーションを展開、配信者による商品試用など、消費者の購買意欲を促した。6月に開催されたECイベント「618セール」期間で「タオバオ」はライブ配信による売上が130億元を超えたことを発表し、ライブ配信による効果の大きさをアピールした。

このように異業種企業の新規市場参入により、ライブ配信専門企業の企業生存は厳しくなった。「斗魚」らは生き残るために収入源の単一性を改善し、視聴者からのプレゼント以外にゲーム大会の独占放送権を獲得し、有料放送を行うなど収益を増やすため様々な試みを行っている。

中国のライブ配信市場では“専門プラットフォーム”と“ツールとして利用する企業”の競争がさらに激化していくことだろう。
「斗魚」を初めとした専門プラットフォームのこれからの戦略に注目だ。

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